生理前になると気分が沈むように
高校を卒業して専門学校に入ったころのことです。
環境の変化や日々の忙しさから、私は少しずつ精神が不安定になっていきました。生理が近づくとさらにそれは激しくなるのですが、周囲に相談できる人がいなくて、ひとりで抱え込んでいました。それでも生理前以外の日は精神が安定していたので、「生理前だけ我慢すれば……」と自分を励まし、どうにか乗り切っていました。
しかし、入学から半年ほど経ったころ、何がきっかけだったのかはわかりませんが、生理前の精神状態がひどくなったのです。「生きていても意味がない」「死にたい」「本当に死のうかな」とばかり思ってしまって……。部屋にこもって泣いたり、生活も荒れたりと、身も心もボロボロ。
だけど、やはり生理が始まると沈んだ気持ちがスーッと引いて急になくなるのです! 自分でも訳がわからず、ただ不思議に思いながら日々を過ごしていました。
PMSの存在を知る
変調をきたして1年が過ぎても、生理前の情緒不安定には悩まされたまま。それどころか、過食、頭痛、耳鳴りといった症状まで現れるようになりました。そんなある日、たまたま見ていたテレビでPMS(月経前症候群)という病気を知って……。「これかもしれない!」と思った私は、すぐに婦人科へ行くことを決意。
受診するまで「なんともありませんよって、先生にバカにされるかもしれない……」と不安でしたが、先生はやさしく話を聞いてくれて、PMSの可能性があると教えてくれました。そして低用量ピルを処方してもらうことに。
その日から飲み始めた低用量ピルは相性がよくなかったのか、初回に強い吐き気と嘔吐の副作用が出ました。そこで主治医に相談し、次の月からは低用量ピルの種類を変更。その後は副作用もなく、生理前の激しい情緒不安定も落ち着きました。たまに落ち込むことはあるけれど、生理前でも安定した日が送れています!
低用量ピルは、結婚して妊娠を希望するまで飲み続けていました。現在は第一子を出産し、さらに2人目の妊娠も判明したので、低用量ピルの服用は再開していません。でも、出産を経験してホルモンバランスが変わったのか、PMSの症状は落ち着いています!
ホルモンのバランス次第で女性の体は激しく変化することを知りました。知識があればつらい状況を変えられるし、少しでもおかしいと思ったら医師に相談することの大切さを実感しました。私はその一歩を踏み出せて本当によかったと思います!
監修/助産師REIKO
文/たちばななおさん
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!