始まりはダイエット
私は中学・高校ととても校則の厳しい女子校に通っていました。メイクはもちろん禁止で、髪を染めるのもNG。靴下まで学校指定の物を使わなければいけないほどでした。
テレビでかわいいアイドルに憧れてファッション雑誌をよく買っていた私。オシャレをしたい気持ちが強かったのですが、校則に逆らうほどの度胸も持ち合わせていなかったので、「大学に行ったら絶対オシャレするぞ!」と心に誓って学校生活をなんとか乗り切ったのです。
晴れて受験が終わってから、私は決めていた通り「大学デビュー」しました。メイク用品を揃えて、髪も染めて、かわいい洋服を買って、それらが似合うようダイエットも始めました。
ダイエットは順調で、1カ月に1~2kgと少しずつですが痩せていき、もともと156cm、52kgだった体重は、大学1年生の冬には40kgを切るくらいになりました。
「あれ…? 生理は…?」
みんなに「痩せたね!」と褒められて有頂天だった私は、ある日ふと、気づきました。「あれ…? 私、生理がずっときていない?」と。
思い返すと、生理が最後にきたのは3カ月も前。正直、生理は面倒だったので、こなくなってもたいして気にしていませんでした。
けれど、今まで生理は順調だったし、セックスもしていないのにさすがにおかしい!と、思い切って母に相談し、人生で初めて婦人科に行くことに。
順調だった生理が止まった思わぬ理由
初めての婦人科で緊張し、ドキドキしながら事情を話すと、やさしそうな女の先生は少し考えてから「最近、体重は減った?」と聞いてきました。「ダイエットに成功して10kg減りました!」そう自信満々に答えた私に、先生は神妙な面持ちで言ったのです。「生理が止まったのはダイエットが原因ですね」と。
それから先生は、「極端なダイエットで生理が止まってしまうことがあること」や「女の子は体脂肪率が20%を切ると生理が止まりやすいこと」、「生理が止まると女性ホルモンが乱れて骨粗鬆症になりやすいこと」を教えてくれました。
「ダイエットは悪くないけれど、限度があるから自分の体と相談しようね」と先生に言われ、超低用量ピルの服用を開始。「せっかく痩せたのに……」と悔しい思いもありましたが、体重を少し戻したら生理もまた始まり、ホッとしました。
あのとき、生理が止まったことを気にせずにダイエットを続けていたら今頃どうなっていただろう?と怖くなります。赤ちゃんを産めない体になっていたかもしれないですし、それ以前に骨密度が低下して、骨折しやすくなっていたかもしれません。
痩せたい気持ちはあれど、それはもちろん健康あっての話。生理が順調にきているかどうか体の声を聞いて、これからも無理のないダイエットとオシャレを楽しもうと思います。
著者/支倉律花
作画/コジママユコ
監修/助産師 REIKO
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