初孫に大興奮の義母
面会当日、約束より30分ほど早い時間に義母の大きな声が病室まで響いてきました。娘とのんびりしていた私はびっくり! 助産師さんにお願いして、義両親を病室に案内してもらいました。
義母は孫を抱っこすると大興奮! そして、そのままマシンガントークを始めました。私は徐々に体がきつくなってきたものの、横になることもできずにそのまま話を聞き続けることに……。予定の面会時間を過ぎても義母が腰を上げる様子はなく、見かねた助産師さんが促してくれて、やっと退室。
私は顔色が悪かったのか助産師さんから心配され、「大変だね」と声をかけられました。初孫の誕生がよほどうれしかったのだなと思うに留め、私は苦笑いで返すしかなくて……。
「アポなし訪問」義母の言い分は
出産を終え、夫と住むマンションに戻ると、今度は義両親が頻繁にアポなしで訪ねてくるようになりました。何かと理由をつけて3日連続で来たことも……。
夫は仕事が忙しく、初めての育児はワンオペ状態。常に寝不足でしたが、いつ義両親が来るかわからなかったため、娘と落ち着いてお昼寝もできず、部屋もきれいに整えておかなければなりませんでした。
そのような生活が2カ月ほど続き……ついに私は限界に。夫に相談して、義両親に「来るときは事前に連絡をしてほしい」と伝えてもらうことにしました。「これで安心だ」と思いきや、義母と電話を終えた夫はなぜか怒っている様子。なんと「準備など気をつかわせないよう、あえてアポなしで行っているんだ」と、逆ギレされて電話を切られたというのです。
それからも、よかれと思ってやっている義母のアポなし訪問は続きました。「もう強硬手段に出るしかない!」と、夫と話し合いをすることに。
そして、エントランスのインターホンが鳴っても居留守を使うようにし、義母から電話がかかってきても時間を置いて折り返すようにしました。
玄関のインターホンが鳴り、そこには…
アポなし訪問を回避するようになって約2週間が経ったころ、玄関のインターホンが鳴りました。応答すると、ここまで入れないはずの義両親が……。なんと住人の方が入ったあとに続いて、オートロックをすり抜けてきたと言うのです。
それからというもの、私と連絡が取れないときはこの方法で訪ねてくるように。マンションのセキュリティの問題に加え、他の住人の方にも迷惑がかかると夫が注意しても、「息子夫婦が住んでいるのだから大丈夫」と聞き入れてくれませんでした。
次第に家にいると神経が磨り減るようになってしまった私は、娘の予防接種などが落ち着いた生後半年ころから、日中は児童館などで過ごすように。
孫に会えない日が続くと、義両親も諦めてくれたようで、少しずつ事前に連絡をくれるようになりました。
その後、私たちの引っ越しがあり、少し義実家と距離ができたことも手伝って、アポなし訪問は完全になくなりました。現在は月に1、2回お互いの家を行き来するペースに落ち着いています。自宅が安心できる場所になり、本当に快適です!
義両親とのお付き合いも10年近くが経ち、義母は裏表のない欲望に忠実な人だと気付きました。また、自分の価値観や考え方が正しいと信じているがゆえの言動で、一切の悪意はないようです。アポなし訪問に悩んでいる時期に、もっと育児を楽しめたはずと悔しい気持ちは消えませんが、孫をかわいがってくださる様子には感謝しかありません。いつも私の味方になってくれる夫の存在を心強く思いながら、日々図太い嫁に成長中です。
著者/田畑 菜々
イラスト/マメ美
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