9歳年上の上司と交際スタート!
彼とは、新卒で働いていた会社で出会いました。私の直属の上司で、いざというときに頼りになって部下からとても慕われる彼に、私は自然と惹かれていったのです。
彼も私の好意には気づいていたようで、職場のみんなに秘密で社内恋愛をスタート。彼は自分の歳を考えると早めに結婚をしたいと考えてくれており、交際してから2カ月後には結婚を前提に、彼がひとり暮らしをしているマンションで同棲を始めました。
恋愛経験の少ない私は、彼氏と同棲するのは初めて。マンガやドラマで見たラブラブ同棲生活を夢に描いていました。しかし、同棲してから彼と自分の価値観の違いに驚かされたのです……。
こだわりの強い彼にストレスが溜まる日々
彼と一緒に住み始めて最初に驚いたことは、部屋の汚さでした。彼はとてもおしゃれに気をつかう人で、私よりも3倍以上の服や帽子などの装飾品を持っていました。
しかし、片付けるのが苦手で、部屋は足の踏み場もないくらいの散らかりよう。私が片付けることも嫌がり、だからといって自分で片付けるわけでもなく、私は部屋の汚さに滅入ってしまいました。
また、彼は服の干し方にこだわりがあり、服によって細かくハンガーの指定がされていました。私は彼が指定するハンガーの種類を覚えられず、間違った服をかけて彼に怒られてしまうこともしばしば。
加えて、食べ物の好き嫌いも激しく、料理が苦手な私はいつも頭を抱えていました。熱々のものも食べられないため、冷ましてからごはんを出すように。当時の私は、彼好みの自分になろうと必死で、彼の喜ぶことは何でもしており、知らず知らずのうちにストレスが溜まっていても気づかないふりをしていました。
彼が夕飯を見て激怒!その呆れた理由は…
ある日、いつも通り仕事を終えた私は、彼が帰宅する前に晩ごはんを作りました。メニューは長ネギの豚バラ巻き、煮卵、サラダ、味噌汁。
肉やファーストフードが大好きな彼の健康を考え、野菜多めのメニューにしたことが彼の逆鱗に触れるとは、このときは思ってもみなかったのです……。
彼が帰宅したとき、とても疲れている様子でした。もしかしたら、職場で何かあったのかなと思いながらごはんを出すと、彼はあからさまに不機嫌になり「こんなんで飯(白米)が食えるかよ!! 肉がねえだろ!」と怒鳴り、その瞬間、豚バラ巻きがスローモーションで宙に舞って……。あまりにも衝撃的で、そのときの光景は今でも忘れられません。
私の料理を放り投げたあと、家にストックしてあったカップラーメンを食べたのか、近所のファミレスに行ってしまったのかは正直覚えていません。しかし、私はひとりで床に転がった長ネギの豚バラ巻きを、泣きながら片付けたことだけは覚えています。
彼との同棲生活で、周りから心配されるほど体重がみるみる落ちていきました。今思うと当時の私は相当ストレスを感じていたのだと思います。
そんな彼との交際はうまくはいかず、結局私はフラれてしまいました。そして、彼と破局後に出会った人と結婚。子宝にも恵まれ、現在は温かい食卓を家族3人で囲むことができています。
著者/米久 熊代
作画/今井美保
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