両家顔合わせで……
結婚する前、両家の顔合わせをおこなった際の話です。
顔合わせ当日、まるで喪服のような格好で現れた義母。夫が私を見て「その服かわいいね」と言うと、ギロッ! と私を睨みつけてきます。さらには、みんなが歓談するなか、ずっとしゃべらなかった義母が急に立ち上がり、「大切な息子なんです」「こんな結婚をさせるために育てたわけじゃない」と涙ぐみながら話すのです。
和やかな雰囲気を壊されて、両家に冷ややかな空気が漂いました。そのとき「本当にこのお義母さんとうまくやっていけるのかな」と、私は不安になりました。
母も母なら息子も息子
空気の読めない義母に対して、夫は困ったような顔をすることがあっても、特に何も言いません。それどころか、義母の味方をするのです。
後日、私が「顔合わせの席であんなことを言うなんて……」と夫に伝えると、「母に悪気はなかった」「寂しいんだと思う」と弁解され、いつも義母はこのような調子だと言うのです。
義母は、息子の妻となる私のことが気に食わず、私をコントロールしなければ気が済まないようでした。私が「お義母さんの言うことが間違っている場合は私は従わない。コントロールはされたくない」と夫に言うと、夫は急に怒り出し、「俺のお母さんを悪く言うな!」と声を荒げたのです。
どちらも子離れ、親離れができていないのだな、と思いました。
義母とのバトル
結婚してからしばらくの間、義母は私に嫌がらせのメールを送ってきました。私はストレスを感じながらも、頼りにならない夫に報告する必要性も感じず、ただスルーしていました。
そんなある日、義母から電話がかかってきて、「今から家へ行くから部屋を片づけておくように」と言われました。私は仕事で外に出ていたためお断りしましたが、義母は「嫁の分際で私をないがしろにするのか! おまえが息子を奪ったくせに!」と逆ギレ。意味がわかりません。
暴言を吐かれた私はついに我慢の限界を迎え、「その息子が私を選びました。あなたが大好きな息子は、過干渉なあなたを疎ましく思っていますよ」ときっぱり言い返しました。
夫の心変わり
実は、義母から離れたくて遠方の大学に進学した過去がある夫。私は、社会人になっても過剰に自分を心配して、事あるごとに家に来ようとする義母の愚痴を、これまで夫から頻繁に聞いていました。
その日の夜、電話で義母にキレられたことと、義母から送られてきた嫌がらせのメールの数々を夫に報告。すると、夫は「今までごめん。母さんが悪かった」と心変わりしたのです。
義母は私の言葉にショックを受けたのか、その日は訪問してきませんでした。その後、夫に「私って過干渉?」とメールを送ったそうです。しかし、うんざりした夫がメールを返さなかったことで、義母はすっかりおとなしくなりました。
義母の相手をすることがストレス、と言っている友人をよく見かけます。私もそのひとりでした。しかし、義理とはいえ家族になったからこそ、言いたいことをはっきりと言う勇気も必要だと思っています。
「年上だから」「義母だから」「家族だから」と鬱憤を溜め続けるのではなく、一歩踏み出すことで状況が変わるケースもあるのだと、この経験から感じました。義実家とうまくいっていないすべての人が、ストレスから解放されることを願っています。
著者/乙葉えり
作画/霜月いく
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