実家で過ごしていたある朝のこと。おじいちゃんの介護費用をまかなうため、パートで働いている母が、早起きして朝食を作ってくれていた。
すると、父親が朝食を見るなり「朝からおかずが多いな」「うちは裕福ではないんだから、こんなに作るな」と文句を言い出した。
謝るばかりの母親の姿は、まるで今までの自分を見ているようだった。
なにかあるたびに夫へ言葉で伝えていると思っていたけれど、本当は口にできていなかったのかもしれない。そう気づいた妻は、父へ自分の思いを言葉にした……!
「お父さん、それはないと思う」父親に物申す!
「お父さん、それはないと思う」
「私たちのためにわざわざご飯作ってくれたんだよ? お母さんの時間と労力を否定するようなことは言わないで……!」
「お父さんが言うべきなのは、お説教じゃなくて、お母さんへの感謝の言葉でしょ!」
父への怒りの言葉が、矢継ぎ早に溢れ出た。
すると父は素直に「雪穂の言うとおりだ、母さん悪かった」と母へ謝ってくれた。
そうだ、しっかり自分が思っていることを、言葉にしなきゃ伝わらないんだ。
荷物に忍ばせた離婚届に目を落とし「私もパパと、ちゃんと話さなきゃ……」と思い直した妻。果たして、伝えることができるのか……!?
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