お給料に影響しないかな?
すべては、夫が「オモシロTシャツが欲しい! 仕事に着ていきたい」と言い出したことから始まりました。ネットショップを探すと、Tシャツに「ぽんこつ」「働きたくない」「やる気スイッチ故障中」などさまざまな文字が大きく書かれている物があり、夫は「ぽんこつ」をチョイス。
夫から「オモシロTシャツが欲しい」と言われたときは、私も「おもしろそう!」と思っていましたが、夫が選んだTシャツを見て、次第に「大丈夫かな?」という気持ちに。そして、私は「やる気のないTシャツを着ていたら、稼ぐ金額に影響が出ないかな……」と、ぽつりと漏らしてしまったのです。
というのも、夫の職業は農業、私の職業はWebライター。2人とも個人事業主です。時給や月給と違って、頑張ったぶんだけ稼ぐことができる職業なのに、Tシャツを着ることで、夫のやる気が削がれてしままわないかな?と、ふと感じたことから口に出た言葉でした。
夫の考え方に衝撃
私の言葉に、夫は「何言ってんの?」とキョトンとした表情。理解できないといった様子でした。「Tシャツに“ぽんこつ”と書かれていようがいまいが、粛々と仕事をこなすだけだよ」と言ったのです。
夫が言うには、私は「Tシャツの文字に意味を持たそうとしている」のだそう。対して夫は、意味を持たせていないのだと言います。このTシャツを着て仕事に行けば、周りの農園の人たちなども私と同じことを思うかもしれない。悪目立ちをするだろうが、きっとネタにして笑ってくれる人もいる。それがおもしろく、自分を知ってくれるきっかけにつながるかもしれないのだとか。
そして、夫は「ぽんこつTシャツを着ているのに、すごく仕事ができたらカッコいいだろ?」と言ったのです。その言葉に、私は夫に惚れ直してしまいました。
夫がカッコいいと思う男性
ぽんこつTシャツの話の流れから、夫が「目指したいと思っている男性像」の話へと発展しました。
夫の周りには、「俺ってすごい!」と自分の仕事ぶりがいかにすごいかを自慢をする人がいるそうです。このような人は、夫の業種に限らずほかの業種でもいるかと思います。しかし夫は、その人の仕事ぶりを見てガッカリするそうです。
「デキるアピールをしたわりに、よい仕事ができていない人はカッコ悪いと思う。普段あまり自分の仕事のことを言わない人がめちゃくちゃいい仕事をしていたら、カッコいい!って思う。尊敬する!」と熱く語ってくれました。
オモシロTシャツの話題から、まさか夫の仕事への向き合い方を知ることになるなんて……。「粛々と仕事をするのみ」という言葉をよく話していた夫。この言葉の裏には憧れているカッコいい男性像が影響していると知られたことは、新たな発見でした。
私自身は、「やる気が削がれてしまうかな」と結局、Tシャツを買うのはやめましたが、文字以外にも人から言われた言葉でやる気が左右することがあります。そういうときは夫から学んだことを思い出し、私もやるべき仕事を淡々とこなそうと思っています。
著者/マツノミユ
作画/マメ美
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