夫はずっと、どうして妻が家出したのかわからなかった。でも、妻から「私たちが出て行った日、何の日だったか覚えてる?」という質問を投げかけられ、その日が娘の1歳の誕生日で、そのことに気づいてもいなかったことにハッとした。
妻は夫から見下されても、家のことをやって感謝すらされないことも、自分のことだから耐えられた……でも、娘の初めての誕生日にさえ忘れてしまうような無関心さが、許せなかった。
「離れてみて、ようやく決心がついたよ」
自分の部屋へ戻り、離婚届を手にとった妻。すると娘が起きてしまった……!
ついに離婚を決意した妻。しかし……?
離婚届を手にして、夫のところへ行こうとしているタイミングで、娘が起きてしまった! あどけない表情で見つめられ、娘の元へ。
その後、雪穂の膝にほおをのせて、スゥスゥと寝息を立てて眠った娘にそっと話し始める。
「ママね、パパを置いて来ちゃったよ。だめだねぇ……もっとみんな頑張ってるのにねぇ」
「でもね、もう我慢するのが嫌になっちゃったの。結ちゃん、これからもずっと、ママと二人で暮らそうか……」
娘の頭をやさしく撫でながら、夫と別れて暮らすことを考えていると呟いた妻。そこに、動揺した夫が現れて……!?
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まっ、どちらにしても起きちゃってるんだけどね!