無意識に夫に強制ルールを課していた私
私にとって家族団らんといえば、「夕飯を食べながら一緒にテレビを観ること」でした。実家がそうだったので、結婚後もおもしろそうなテレビ番組があったら片っ端から録画して、夕飯の時間に流していたのです。
「私の好きなタレントが出ている新番組だから、これは観よう。夫が好きそうなドキュメンタリーやってるな、これも観よう」と、私はとにかく片っ端から録画していたので、録画ストックはどんどん溜まっていきます。「今日はあの番組を観ようね」と私が先導し、私たちは1日に1〜2時間かけて、大量の録画ストックを消化していました。
ある日、夫からクレームが!
ところが、ある日夫から「毎日毎日こんなに録画して、観きれないよ! 夕飯とテレビに何時間かけてんの?」とクレームが入ったのです!夫の突然の言葉に、私は「おもしろい番組を観たいだけなのに、なんでダメなの?」と、ショックを受けました。そして、「2人で一緒に楽しみたいと思ってやっているのに! どうしてそんなこと言うの!?」と、夫への怒りが込み上げてきました。
しかし、夫としては「2人でテレビを観る時間が嫌なんじゃないよ。自分があまり興味のない番組を、最後まで観なきゃいけないと拘束されるのが嫌なんだ。夕飯をさっさと終わらせて休みたい日もある」とのこと。
夫の言葉を聞いて、初めて私は「私が選んだテレビ番組を一緒に観なきゃいけない」という強制ルールを、無意識のうちに夫に課していたことに気が付きました。2人でおもしろい番組を観て楽しく会話したかっただけなのに、結果的には、私が観たいものに無理やり夫を付き合わせてしまっていたのです。夫の不満を理解した私は、「夫に申し訳ないことをした」と反省しました。
お互いが観たい番組だけ一緒に観るように
それからの私は、「自分ひとりで観る番組」と「夫婦で観たい番組」を選別するようになりました。気になる番組があったら一旦録画しておいて、「この番組観たい?」と夫に聞くのです。夫が「観たい」と言えば一緒に観るし、「それはいいや」と言えば、その番組は自分ひとりのときに観ることにしました。
また、夫は観たい番組がなければ、夕食を食べ終えたあとは番組の途中でも退席してOKに。そうすることで、私は好きな番組ならひとりで最後まで観て、夫はフリータイムを過ごすことが増えました。
こうして、「夕食中テレビを一緒に観なきゃいけない」という強制ルールを崩すことで、お互いが本当に好きな番組だけを一緒に楽しめるようになりました。
夕食どきにテレビを一緒に観るという強制ルールをなくしてからは、お互いが興味のある番組を厳選して楽しんでいます。そのため、自然と「今日の〇〇すごかったね」「続きが楽しみだね」と、私が望んでいた夫婦の会話ができるようになりました。
私にとってはテレビ=団らんの時間なので、夫婦で適度に楽しめるようになってうれしく思っています。もっと早く、今のようにしていればよかったと少し後悔しています。
著者/ココロナナコ
作画/こいでちゃこ
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