トイレでひとりパニック
もう29年も前のお話ですが、初潮の経験は今でも記憶に残っています。その日、母は友だちと遊びに出かけていて、家には父と弟と私の3人だけ。晩ごはんはあらかじめ母が準備してくれていました。
晩ごはん前、私はおなかに違和感を覚えトイレへ。そこで下着に赤い染みが着いていることに気がつき、衝撃を受けました。当時、学校ですでに女性・男性の体のしくみや初潮のことも教えてもらっていたので、一瞬で「せ、生理になっちゃった……」と理解した私。衝撃からしばらく硬直してしまいました。
本来なら母に相談するところでしたが、母は外出中。私は下着をどうすることもできず、とりあえず厚く巻いたトイレットペーパーをナプキンの代わりにしてトイレを出ました。
対処の仕方がわからなかった
それから、私は何事もなかったふりをして晩ごはんを食べていましたが、「お父さんに相談するわけにもいかないし……」と、頭の中は「生理がきたこと」で頭がいっぱい。
また、このとき生理について勘違いをしていて、「生理がくると24時間365日、一生出血し続ける」と思い込んでいた私。そのため、誰も相談できる人がいないという状況に、より不安と恐怖でいっぱいでした。
母が帰ってきたあと…
その後、母が帰宅。母の顔を見たときは心底ホッとした記憶があります。そして「生理がきたこと」を話すと母は驚いていました。どうやら予想よりも私の初潮が早かったようです。体の変化やナプキンの使い方など、慌てて教えてくれました。
そして、母は「生理は大人になった証。恥ずかしいことじゃないよ」と話してくれ、ようやく安心できたのです。私が次々と質問することに対して、母は的確に教えてくれました。もちろん、生理は「24時間365日続くものではない」ということも。
10歳のころ、同じクラスで初潮を経験したのは私を含めまだ3、4人程度だったと思います。そのため、まだ初潮を迎えていなかった友だちに、「生理はこういうものなんだよ」と自分の経験談を話すこともできました。
まだ私には子どもがいませんが、もし女の子を授かることができたら、きっと自分の経験をもとにアドバイスができるのではないかなと思っています。母がしてくれたように「恥ずかしいことじゃないよ」と伝えてあげたいです。
著者/池森 りえ
作画/ののぱ
監修/助産師 REIKO
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