生まれたばかりの息子がかわいいと思えない…罪悪感に苦しんだ私がとった選択は【新しい家族のカタチ】

自分が産んだ赤ちゃんは、きっと見た瞬間「かわいい!」と思えるのだと思っていました。しかし、無事に出産を終えて、助産師さんが生まれたばかりの長男の写真を手渡してくれたのですが、私は少しもかわいいと思えなかったのです……。

その後もその気持ちは変わらず。私は家族に相談をして、あることを決意しました……。

 

ベビーカレンダーは、多様化している家族のあり方=“新しい家族のカタチ”について発信する取り組みを開始しました。当事者のリアルな声を紹介していきます。多様な幸せを実現できる社会、そして、もっと「家族を持ちたい」「赤ちゃんを産みたい」と思う人が増える世の中づくりの一助となりますように。

 

初めての出産

私の出産は、初産にしては安定していたように思います。陣痛に耐える時間もそれほど長くはありませんでした。ただ長男は頭が大きな赤ちゃんだったので、ゆっくりと産道を下りてくる痛みに、「もうさっさと出てきて!」という一心で乗り切った出産でした。長男の頭が無事に出てきた瞬間、取り上げてくれたお医者さんに「大きな赤ちゃんだよ」と、大笑いされたほどです。

 

出産後、処置のために隣室で横になっていた私に、助産師さんが長男の写真を手渡してくれました。私は笑顔で受け取りましたが、その写真に写る赤ちゃんに対して少しもかわいいとは思えませんでした。

 

ただひたすら赤ちゃんと2人で過ごす毎日

退院後、私と長男の2人で過ごす毎日が始まりました。同じ家に私の母も同居していましたが、猫を飼っていたため、自分たち夫婦の寝室で赤ちゃんのお世話をすることになりました。長男は、昼間も夜も育児用ミルクを飲み、おむつを交換すれば自然と数時間は眠ってしまうような、手のかからない赤ちゃんでした。


そんな長男にも、泣き止まないときはありました。何をしても泣き続ける長男に、私は腹立たしさを感じました。それと同時に、そんなことを赤ちゃんに感じる自分は、母親に向いていないのではないかと不安になりました。それでも、いっしょに過ごしていくうちにかわいいと思えるのではないかと、どこかで考えていた私。少しも変わらない自分の気持ちに、不安は大きくなっていきました。


あまりに長男の泣き声が続くと、母が心配して見に来てくれました。母が抱っこをすると長男はすぐに泣き止み、それは夫でも同じでした。母も夫も、「(私の)余裕の無さが長男に伝わると、長男は不安になるのかもしれない。焦らなくて大丈夫」と励ましてくれました。しかし、感情のコントロールはなかなかうまくいきませんでした。何より2人は長男をかわいいと思っているのに、私だけがそう思えないことに罪悪感がありました。

 

 

育休を放棄することに

私はその時、職場の理解を得て1年の育児休暇をとっていました。産後1カ月が過ぎ、私の職場に長男を連れてあいさつに行きました。そのとき、店長から「育休の期間は1年という話だったけれど、できたら早めに復職してほしい」と話がありました。私は「自分だけでは決められないので、家族で話し合ってから連絡します」と、その日は返事を持ち帰りました。けれど心の中では、店長の提案にすぐに「はい」と返事をしたいと思っていました。長男と2人で過ごす生活で募っていく苛立ちや不安が、爆発してしまいそうだったのです。


家に帰り家族と話し合った結果、保育園を探すこと、長男の首がすわるまでは私が世話をすることを条件に、私の早期復職は叶うことになりました。そして復職初日、仕事から帰ってきて家に入ると、早く長男の顔が見たいと思っている私がいました。私がいなくても機嫌よく過ごしていたという長男の話を母から聞きながら、私は初めて長男のことを「かわいい」と心の底から感じることができたのです。

 

私に必要だった距離

私は、生まれてすぐの長男に対面しても「かわいい」と思うことができず、しばらくいっしょに過ごしてもその気持ちに変化はありませんでした。周りの「かわいい」のほめ言葉も苦痛に感じていたくらいです。自分は母親には向いていない、母親として欠陥があるのではと気持ちが塞ぎ、出口が見えない不安な毎日でした。そんな私は、復職という形でしっかりと長男と距離を取ったことで、やっと「かわいい」と感じることができるようになりました。

 

母親が赤ちゃんのそばにいるものという考えを切り替えることができなければ、取り返しのつかない結果に至っていたかもしれません。いろいろな家族のカタチがあると思いますが、私にとっては、赤ちゃんをかわいいと感じられる距離でいる、ということが大切だったのだと思います。その後長男は、元気で家族と電車が大好きな男の子に育ちました。現在小学5年生ですが、もしかしたら赤ちゃんのころよりも手がかかっているのではと思うこともたくさんあります。それでも今の私は長男の顔を見るたび、「ああ今日も最高にかわいいな」と感じています。

 

関連記事:15歳と11歳の姉妹に年の離れた三女が誕生。良い面もあればつらい面もあって…【新しい家族のカタチ】


著者:福島 総子

7歳と10歳の元気な兄弟の子育てに四苦八苦の毎日を送りつつ、趣味の読書や映画鑑賞を活かしての記事執筆を続けています。

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