二人を助けたら、離婚したいと考えている妻に考え直してもらえるかもしれない……そんな期待をしてしまっている自分に嫌気が差す。
「友田さん、妊娠中の奥さんのこと話してくれたじゃないですか。正直、耳が痛かったです。俺はずっと、真逆のことをしてきたから……」
妊娠中は肉体的にも精神的にも負担がかかるってことを知ろうともせず、妊娠前と同じことを求めてしまっていた。専業主婦は、家事を完璧にやって当たり前だと思っていた。
妻の心や体の変化を知ろうともしなかった。おなかの赤ちゃんに関心もなかったし、生まれたあとの娘に目を向けることもなかった。
「俺だけ"親"にならないまま、ここまで来てしまいました……」
夫は、さらに後悔を言葉を続けて……。
「俺がしてきたことは謝っても許されない」
「俺がしてきたことは、たった一言謝ったところで許されることではないから……」
妊娠中の妻に無理を強いて家事をさせたこと、
休日も仕事と称して外出し家族との時間をおざなりにしてきたこと、
妊娠中何度誘われても一度も健診に行かず、妊娠中も産後も赤ちゃんのことを知ろうとしなかったこと、
外で仕事をしていればいいと思っていて家事も育児もしてこなかったこと、
家ではスマホを触ってばかりで娘を見てこなかったこと……
まだまだ、妻が不満に思っていたことは、もっとたくさんあるだろう。ずっと、妻を裏切って、失望させ続けてきた。
受け入れるしかない……それでも、
「二人と一緒に生きていきたいと願ってしまうんです」
夫の後悔を聞いた友田さんの反応は……?!
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