ちなきち 避難所に到着すると、妻と娘は車の中にいた。地震が怖かったからか、娘がぐずることが多くなったようだ。
避難所の中で泣くと周りの人に迷惑になってしまうし、人がたくさんいる所よりは娘にストレスがかからないだろうと、考えてのことだった。
「約束破ってごめん」
また約束を破ってしまったことを謝ったが、妻はそのことに対しては「仕方がない」と言い、怒っていない様子。それよりも、娘が危険な目に遭ってしまったことを伝えて……。
「すごく怖かった……」妻子が危険な目に！
「俺が『明日また話がしたい』ってお願いしたのに、仕事に行って、地震の時も近くにいてあげられなかった……」
「こんなことが起きるなんて誰も想像がつかないし、仕方ないよ。でも、すごく怖かった……」
地震が発生したときは、娘に寝る前のお茶を飲ませているタイミングだった。大きな揺れのあと、食器棚の一部が娘に向かって飛んできたという。
「どうやって助けたのか、覚えてない……」
娘を守ることにただただ必死で、その危険な状況をどう回避したのか覚えてないと言う妻は、膝を抱え、座り込んでしまった。
自分が約束を破ってしまったばっかりに、妻子に怖い思いをさせてしまったと知った夫は……？
ちなきちさんの最新投稿は、SNSやブログから更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。
