妻が地震がきたときの話をしてくれた。娘にお茶を飲ませているときに大きく揺れ、食器棚の一部が娘に向かって飛んできたという。
妻は「怖かった……」と、膝を抱えて座り込んでしまった。
「ありがとう! 結を守ってくれて……近くにいてあげられなくてごめん!」
地震が来たとき、もしすぐそばに妻がいてくれなかったら、今ごろ娘は……。とにかく無事でよかった……!
娘を守ってくれた妻には感謝しかない。うなだれる妻をただギュッと、強く抱きしめた。
そして、避難場所として借りられることになった叔父さんの家まで、友田さんに義両親を送ってもらい、夫と妻、娘の3人は別の車で向かうことに。
友田さんとの別れ「応援しています」
夫は避難所へ向かう道中で、友田さんに家族のこと、これまでの後悔していることを打ち明けていた。
「その……応援しています」
離婚したい妻と、関係を修復して家族を続けたいと望む夫。友田さんは夫の心中を察して、手を差し出した。
その様子を怪訝な表情で見つめる妻……。
重い空気のなか、車を出す。しかし、なんだか娘の様子がおかしい。対応しようとすると、妻から辛辣な指摘を受けることに……。
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