目を離した一瞬で耳の穴に……
当時、1人目の子どもが2歳7カ月、2人目が生後4カ月になり、バタバタとした毎日を過ごしていました。その晩は、次男がお風呂からあがるとすぐに寝たので、少し時間に余裕がありました。
私は、久々に夫の耳掃除をしようと思い立ちました。夫の耳垢は1カ月ほど放置していると大物がゴロゴロと取れるので、「今日はどんな大物が取れるのだろうか」とワクワクしながら、夫に声をかけました。
夫も自分でうまく耳掃除ができないため、二つ返事で耳かきとティッシュを準備。夫の耳の穴は掃除しにくい形なので、いつも形状の異なる2本の耳かきを使っていました。
横になった夫の耳掃除を始めると、取れるわ取れるわで、少しテンションが上がっていました。そんなとき、まだ寝ていなかった長男が近寄ってきて、耳かきを欲しがりました。使っていないほうの耳かきを渡すと、握りしめながら耳掃除を興味津々な様子で見ています。
「耳掃除すると気持ちいいんだって」と話しながら耳掃除を続け、取れた耳垢をティッシュに移すために、長男から一瞬だけ目を離しました。
そのとき、夫が「痛い!!!」と聞いたこともない声をあげて、耳を押さえながら飛び起きました。そして、私の目の前には耳かきを握りしめながら、茫然とした表情の長男が座っていました。
そうです……。一瞬目を離した隙に、長男が夫の耳の穴に思いっきり耳かきを突っ込んでいたのです。
痛がる夫を前にオロオロするばかりで……
痛そうに耳を押さえてうずくまる夫、泣き出しそうな長男、オロオロするばかりの私……。今思い出しても、苦しくなる時間です。少し冷静になった夫が、「突っ込まれたほうの耳が聞こえない……。空気が抜けるし、鼓膜が破れている感じがする」と言いました。
私は血の気が引き、泣きそうになりながら夜間診療所に電話をかけ、診察してもらえるか聞きました。しかし、「内科の受診しか対応できないので無理」との回答でした。痛みが治まらない夫は、救急の受診相談に電話し、受け入れが可能かもしれない病院を教えてもらいました。
幸いにも、その後電話した救急病院が受け入れ可能でした。一緒に行くことも検討しましたが、「子ども2人を連れていくのは難しいだろうから、ひとりで行く」と夫が言ってくれたので、家で泣いている長男をあやし、寝かしつけながら待つことにしました。
あらためて反省した出来事に
「私が耳かきを渡さなかったら……」「目を離さなかったら……」と、ひたすら後悔しながら、寝かしつけしていた長男の横でいつの間にか私も寝てしまいました。
朝、起きてきた夫に聞くと、救急の先生から耳鼻科の先生に処置を確認してくれたようで、痛み止めの処方のほか翌日に耳鼻科を受診するように促してくれたようです。
翌日、行きつけの耳鼻科に行ったところ、やはり鼓膜は破れていました。先生からは、「1カ月くらいで元に戻るけど、耳の中の骨が折れている可能性もある」と言われたようです。 しかし、幸いなことに1カ月後に聴力が戻ったため、「骨のほうは大丈夫だろう」という診断でした。
子どもは、思ってもみなかった行動をするものということは知っていましたが、あらためて「子どもは本当に何をするかわからない」「目を離してはいけない」と痛感するエピソードでした。
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監修/助産師 松田玲子
著者:くりぃむぱん
8歳(発達障害)、6歳(定型発達)の男児2人の母。10年間の介護現場での経験を活かし、記事執筆を行っている。