あおばさんは、長男が1歳のころ職場に復帰しました。このときから長男はずりばいをするようになりましたが、1歳半になっても、しっかり歩くことはありませんでした。
そこで悩んだ末にかかりつけの小児科で1歳半健診を受けることに。
問診票を記入するとき、「いいえ」と答えた項目が結構あったので、あおばさんは先生に何か言われるのではないかと、かなり緊張していました。
しかし医師は、「関節や筋肉に問題はありません」「うん、大丈夫でしょう」と言ったのです。
あおばさんは、「もしかしてもう終わり!?」と焦ってしまいました。「本当に大丈夫なんでしょうか?」「この子人見知りも激しくて……」と医師に矢継ぎ早に伝えました。
すると医師は「お母さん聞いて」とあおばさんに声をかけました。
もしかして怒られる…!?
「お母さんこの子はね」
医師が話し始めた瞬間、あおばさんは怒られるのかと思い、ギュッと目をつぶりました。
しかし医師は、
「歩く気がありません」
「正確に言うと、歩くことに必要性を感じていない」
そう言ったのです。
続けて、
「自分で必要だと感じたら、必ず歩きますよ」
「ママが笑顔でいることが、長男くんにとって1番のパワーになりますよ」
と言いました。
医師の言葉を聞いたあおばさんは、気持ちがラクになりました。
その後、看護師さんに連れられて、歩行の練習をすることに。
看護師さんから歩行レクチャーを受けているとき、あおばさんは「周りの言葉を気にしすぎて、勝手に焦って長男を追い込んでしまった」「心配しすぎていたのかな」そう考えていました。
そして、「長男が大きくなればこんなに心配することはなくなるのかな」「はやく大きくなって……」と思っていると……。
「あおばさんもしかして、お子さんが大きくなったら心配をすることがなくなるって思ってる?」と、看護師さんに言われたのです。
◇ ◇ ◇
あおばさんは「この子は歩く気がありません」と小児科で言われたとき、かなりの衝撃を受けて心配していたそう。そんなときに、先生からの「大丈夫」という言葉は何よりも安心できる言葉だったのでしょうね。