改善策は“当たり前のことをちゃんとやります”という風にしか聞こえず、さらに日常保育を知る機会がなかったグッチさんには提案された改善策が妥当なのか分かりませんでした。それでも安心して保育園へ通わせるため、園児の並び順についての決まりの有無と、チビノブくんのそばで引率していた先生が誰なのかを質問したのですが……?
置き去りの直前、子どものそばにいたのは…
誤:チビノブはの 正:チビノブの
グッチさんの指摘した内容に納得する園長先生。
手を繋ぐ相手の決め方については、毎回決まっているわけではありませんでした。
移動時の並び方はそのときどきで園児から要望が出ることも多く、ある程度は園児の要望を聞いて集団行動をスムーズにおこなえるような形で手を繋がせていました。
「基本的には現場スタッフの判断に任せていましたが、今後は把握しやすいように並びを決めておくことを検討しようと思います」と回答する園長先生。
しかし、それを聞いても2歳児同士が手を繋いでいるのであれば、より意識して見守ってほしいと思うグッチさん。
クラスごとの保育か、せめて2学年くらいにできないんだろうか?
22人で園外保育をしないといけない理由でもあるのか?
もしかして人員不足なのでは……?
そう思いながら、逸れる直前にチビノブくんのそばにいた先生が誰か問いかけました。
すると……
「はい、私です」
手を挙げたのは2歳児クラスの担任の先生でした。
新卒で担任になって頑張ってくれてはいるものの、すごく抜けていることが多い先生。
「そのとき(逸れる直前)の状況はわかりますか?」
グッチさんが質問すると……
「今回は本当に申し訳ありませんでした。実は私……全然覚えてないんです」
予想外の回答に驚きが隠せないグッチさん。
「全体確認してくれてる先生は私のところにチビノブくんがいたって確認してて。私、チビノブくんが自分のところに並んでいるって意識なくて、どこかに居るだろうと思っちゃってました。本当にすみません!」
落ち込みながら謝る担任の先生。
人がやることにはミスが起こる。
それを大前提に行動しないといけない。
個人でミスしないのが1番だけど、そこを保育士全員でカバーしていける体制を作らないと……って話にはなっているんだな。
“みんな居るはず”って意識は、またミスを起こすよね。
そう思ったグッチさんは、これまでにもずっと心に引っかかっていた子どもの人数に対して、スタッフの人数が少なすぎる問題を園側に問いかけたのですが……?
グッチさんの指摘部分に納得し、改善策として検討するという園長先生。どんなことでも人が管理・実行する場合はミスをすることもあり、“完璧”は難しいかもしれません。それでも、ミスを防ぐように改善していくことは大事ですよね。
そして今回明らかになったのは、チビノブくんがいなくなる直前にそばにいたのは担任の先生で、当時のことをまったく覚えていないということ……。子どもを預ける保護者側として、この回答はショックですよね……。置き去りを二度と起こさないためにも、まだまだ改善しなければいけない事がありそうです。