寝ているとき、ふと横を見たら息子がいなくなっていたという夢を見た森田さん。自分ひとりで子育てをして、親である責任を担う限界を感じていたのです……。
次の日、息子に感情的になって怒ってしまったことを謝り、なんで「うるさい」と言ったのかを聞くと……。
「だって……いつもあんこちゃんばっかりずるいよ」と、息子。
その言葉を聞いた森田さんは、「息子のだけの特別」を増やしていくことにしたのです。「特別」扱いをされた息子は、とても嬉しそうな様子。そして次第に、息子に笑顔が増えていきました。
少しづつ余裕ができてきたころ、夫が4日間だけ帰って来れることに。森田さんは、夫が帰ってきたらワンオペ生活をしていた自分のことを労ってくれると思っていました。
しかし、夫はごはんも洗い物もノータッチ。家事をすることなく子どもと遊んでいる夫の姿に、森田さんはモヤモヤが止まらなくなってしまったのです……。
ワンオペの私はそんなことできないよ
夫が単身赴任から一時的に帰ってきて、数日経ったある日のこと。
息子と温泉に行きたいと夫が言いました。それを聞き、あぜんとしてしまう森田さん。温泉はおむつをはいている娘は入れず、森田さんが行きたくても行けないところなのです。
「私が行けないってわかっているのに、なんでそんなことを言えるの?」
森田さんは、そう言いたいのをグッと飲み込んで「うん。いいよ〜。あんこちゃんは私がお風呂に入れとくね……」と言ってしまいました。
大切な人だから嫌われたくない。その気持ちが強くなり、本当に言いたいことが言えませんでした。
そして娘をお風呂に入れることになりましたが、娘はお風呂に入りたくない日らしく……。それでもなんとかお風呂に入れることができましたが、森田さんは疲れてぐったり。
「なんで夫は、ワンオペ育児を頑張ってきた私を労ってくれないの……?」
我慢の連続で、我慢が不満につながっていきました。さらに森田さんの中で、不満が怒りへと変わってしまいます。
「ワンオペの私にはできない」
うらやましい気持ちがねたましい気持ちへと変わっていくのを、森田さんは感じていました。
単身赴任先から帰ってきて、物理的な距離は近づいたのに、森田さんと夫の心の距離は離れていってしまったのです……。
◇ ◇ ◇
他人を頼ることが苦手な森田さん。言わなければ伝わらないこともあるとわかっていても、相手に悪気がないときなどは、なかなか思っていることやしてほしいことを口に出すのは難しいのかもしれませんね。けれど、森田さんのストレスがたまらないように、早めに伝えられるとよいですね。