20年前の古いビデオカメラ
これは、現在中学2年生の娘が0歳だったときのお話です。娘が生まれたばかりのころ、携帯はまだフィーチャーフォン(ガラパゴス携帯)しかなく、わが家ではビデオカメラも買っていませんでした。ビデオカメラが高く、経済的に余裕のないわが家は買うことを諦めていたのです。
そんなとき、私が小学生のときに両親が使用していた古いビデオカメラが実家にあることがわかりました。動作も問題なく使用できたので、その古いビデオカメラを借りて娘が生まれたばかりのころの映像を残していました。
貴重な赤ちゃん時代の娘の映像が…
しばらくは実家の古いビデオカメラを借りていたのですが、娘が生後3カ月になるころ、わが家でも新品のビデオカメラを買うことにしました。そして、古いビデオカメラのほうのバックアップをしないまま、約1年が過ぎました。「そろそろ育児も落ち着いてきたし、娘の映像類の整理をしよう!」と重い腰をあげ、実家から再び古いビデオカメラを借りてきましたが電源が入らず……。
充電してもダメで、メーカーに問い合わせましたが、かなり古い商品なのでもう部品がなく修理もできないとのこと。娘が生まれてすぐから生後3カ月までの映像は、このビデオカメラにしか入っていないので途方に暮れました。
データが消えてしまうのを覚悟で
頼みの綱のメーカーにも「修理は不可」と言われ、「もう娘の小さいときの映像は見られないんだ……。何でもっと早くにバックアップしなかったんだろう」と、とても後悔しました。
その後、ビデオカメラの映像をDVD化しているサービスに問い合わせると、「データは復元できないかもしれないし、中のデータが消えてしまう可能性もあるかもしれないが、了承してもらえるなら」とのことでDVD化を依頼。すると、きちんとDVDに映像を収めて返してもらうことができ、うれし涙が出るほどでした。
忙しさを理由に、大事な娘の赤ちゃんのときの映像のバックアップを後まわしにしてしまい、その間にビデオカメラが壊れて中のデータが消えてしまうところでした。「こんな思いをするくらいなら、しっかりと自分でデータをバックアップしておくべきだった」と教訓になりました。今では育児の合間の時間でこまめにバックアップするようにしています。
著者:吉川 みきな
14歳女の子と4歳男の子、0歳の年の差兄弟を育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。