お絵描き大好きな娘
私の娘はお絵描きが大好きで、1歳のころから毎日のようにクレヨンで絵を描いていました。絵と言ってもただの線や丸などですが、自分で線を増やしていくのが楽しかったようで、紙を見つけては夢中で描く日々。
私は大事な書類を娘の手が届くところに置かないよう気を付けていました。じょうずに歩けるようになると今度は床や壁に描こうとするので、慌てて止めたり何度も注意したり……。娘がクレヨンを持っている間は、目が離せなくなりました。
夫の転勤で引っ越すことに
そんなある日、夫の転勤により引っ越すことが決まりました。私は娘のお世話をしながら、少しずつ準備を始めることに。荷物を箱に詰め、片付けていくと、今まで物でふさがっていた部分の壁が見えてきました。
娘の目の高さの真っ白い壁は、絶好のお絵描きターゲット。これは危ないと思った私は、なるべく壁を隠すように段ボールを置き、クレヨンも早めに段ボールへしまいました。
引っ越し当日、まさかの!?
いよいよ引っ越しの当日。荷物の運び出しは業者に任せていたので、私は娘を抱っこしながらその様子を見守っていました。あっという間に運び出しは終了し、あとは管理会社の人が来るまで待つだけ。
何もなくなって広くなった部屋ではしゃぎまわる娘をよそに、私たち夫婦は忘れ物がないかそれぞれ部屋をチェックして回っていました。すべての部屋を見たのでリビングに戻ると、そこで驚きの光景が。なんと、娘が太い油性ペンで、壁に絵を描いていたのです!
「派手にやったねぇ」と笑ってくれた…
娘が持っていたペンは、どんな荷物を入れたのかを段ボールに書くため、最後まで残していた黒い油性ペンでした。それを荷物と一緒にリビングに置いたまま、私たちはリビングを離れてしまったのです。
娘が描いた絵の範囲は娘の体よりも大きく、もうどうしようもありませんでした。その後、部屋の退去立ち会いに来た管理会社の人に謝罪し、「さっきまではきれいだったんです」と話すと、「ずいぶん派手にやったねぇ」と笑っていました。
幸い、ちょうど壁の張り替え時期だからと代金は請求されませんでした。管理会社の人が私たちの話を聞いて大目に見てくれたのかもしれません。娘はその後壁に描いてはいけないとわかるようになりましたが、大きくなってからも、引っ越しのときに使うペンは肌身離さず持つことにしています。
※直径39mm以下(トイレットペーパーの芯を通るもの)は誤飲するおそれがあります。また、ペン等を持ったまま歩くと転倒した際に怪我につながる可能性があるため、赤ちゃんに渡さないでください。
著者:斉藤 ひかり
7歳女児、4歳男児の母。転勤族。結婚前に音楽業界で働いていた経験を生かし、主に音楽・エンタメ・子育て関連の記事を執筆中。