些細なことで長男と言い争いに
長男が小学校に入学してしばらく経ったころ、環境の変化によるストレスで荒れていた時期がありました。末っ子が生まれて子どもが3人になり心の余裕が持てなかった私は、そんな長男を受け止めることができませんでした。ある日、些細なことで言い争いになってしまったのです。
きつく叱られたことにショックを受けた長男は、私が知らないうちに家から出て行ってしまいました。
家出した長男を探しに行くと…
気づいた私は、長男を探しにいきましたが見つかりません。末っ子を抱っこしているため、遠くまで探しに行けずに困っていたところ、声をかけてくれる人がいました。それは普段口数が少なく、近寄り難いと感じていたご近所のおばあさん。事情を説明したところ「私も探してあげるから、家に帰っていないか、もう一度見に行ってみなさい」 と言ってくれたのです。
その言葉に従い家に帰ってみると、長男は私がいないうちに帰ってきたようで寝室で泣いていました。私はきつく叱ったことを謝りました。そして、長男が落ち着いたので、おばあさんにお礼を言いに行きました。
おばあさんからかけられた言葉は
おばあさんはすでに帰宅しており、家の電気がついていました。私はおばあさんに対して申し訳ない気持ちと、家出のことで注意されるのではないかという不安で、なかなかインターホンを押すことができませんでした。しかし、おばあさんからかけられた言葉は予想に反して、とてもやさしい言葉だったのです。
「あんた、よく頑張ってるよ! みんな良い子に育ってる。大丈夫よ」。 そして長男が、毎日元気にあいさつしていることを話してくれました。私は泣きそうになりながらお礼を伝えました。
そのころの私は、余裕のなさから子どもを叱ってばかりで罪悪感が募る毎日でした。だからこそ、おばあさんのやさしい言葉に本当に救われたのです。怖いと思っていたおばあさんでしたが、実は私たち家族を気にかけてくれるやさしい方だったことがわかり、印象で人を判断してはいけないと感じた出来事でした。
著者:小林ゆかこ
8歳、5歳、1歳の3児のママで現在育休中。Instagramに育児絵日記を投稿中。