妻は、娘に関心のない夫と離婚する決意をしたものの、夫と久しぶりに会った娘があまりにも嬉しそうで、その決意が揺らいでしまった。
そんなとき、地震で被災してしまい、夫に「そばにいてほしい」と思ってしまった。
娘と向き合うと決めたあと、夫はしっかり娘のことを自分で調べて、考えて行動して、かわいがってくれるようになった。
ああ、やっと、私が好きだったやさしいカズ君が帰ってきた。
夢に描いていた、カズ君になってくれた。
でも、期待するたび裏切られ続け、夫を信用することができなくなってしまった妻は、彼を信じたい気持ちとは裏腹に、黒ずんだ心の声がまとわりついてしまう。
裏切られた過去の自分が忠告してくる……
……ねぇ、本当に?
よく思い出してみなよ。
どうせ、裏切られる。
離婚の心配がなくなったら
また元に戻る。
結局、自分しか見えてないよ。
人間、そんな簡単に変わらないって。
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変わってくれた夫を信じようとするけれど、
裏切られた過去の自分が「どうせまた裏切られるよ」「信じてはダメ」と言っている。
以前、たくさん傷つけられたあのときの夫と、いま目の前で見ているやさしい夫。本当の彼はどっち? 妻はどうしたらいいのか、わからなくなってしまって……。
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ただの一度でも崩れたら、その後どんなに挽回しても「でもまた裏切るかもしれないし」ってなる。
その可能性が1%でもある限り「でも本当に変わったのかも」「でももし、本質までは変わっていなかったら?」と、ずっとこうやって神経すり減らしていくしかないのよね。
人間関係ってどこもそんなもんだとは思うけど、夫婦間だと余計気を遣うって場面も多い気がする。
そういうのじっくり考えて、ゆっくり決めていけば良いんじゃないかな。
もちろん夫も心から反省してるとは思うけど人間、そんなにながく反省できる訳でもないんですよね
闇が深すぎ。