生理用ポーチを持ち歩くのが恥ずかしい
私に初潮がきたのは、中学1年生の6月、梅雨に入ったばかりのころでした。小学校で生理について学んでいたので、特に驚くこともなく報告したところ、「おめでとう」と声をかけてくれた母。それから母と一緒にショッピングモールに行き、ドラッグストアで自分用の生理用品を買ってもらいました。「お祝いだよ」とランジェリーショップでサニタリーショーツも何枚か購入してもらい、なんだかお姉さんになったようで誇らしかったのを覚えています。
初潮を迎えてしばらくは生理周期が安定しなかったこともあり、毎日通学かばんに生理用品を入れて登校していました。しかし、私はどこか「生理用ポーチを持ってトイレに行く」ということに恥ずかしさを覚えていて、生理中に学校でトイレに行くときは、かばんからサッと生理用品を取り出し、制服のポケットに押し込んでトイレへ。
とはいえ、「生理用品を誰かに見られていないかな……」と心配もしていました。
もちろん、生理は恥ずかしいことではないとわかっていました。通っていたのも女子校だったので、どちらかといえば生理についてはオープンな環境でもあったと思います。しかし、初潮を迎えたばかりの12歳だった私にとって、生理は「なんとなくちょっと恥ずかしいこと」だったのです。
そして、私は思い切ってその「恥ずかしい気持ち」について母に相談してみることにしました。
母が作ってくれた特別なアイテムとは?
「わかるわ。生理って恥ずかしいことではないけど、生理用品を見られるのって、なんとなく恥ずかしいんだよね」。母は私の話を「うんうん」と頷きながら聞いてくれていました。
母はおやつを食べ終えると、タオルハンカチを取り出し、それを折りたたんでミシンでササっと縫いました。ほんの数分の出来事だったと思います。母が手にしたタオルハンカチは、生理用品が2枚入る、小さな生理用ポーチに大変身していたのです。
折りたたんだ部分に生理用品を隠せる仕組みになっていて、パッと見ただけでは折りたたんだタオルハンカチとまったく見分けがつきません。「トイレにハンカチを持って行くのは当たり前だから、これだったらおかしくないでしょう?」。
その母の言葉に、私のモヤモヤしていた気持ちはあっという間に明るくなりました。そして、次の日から、母お手製のタオルハンカチポーチに生理用品を入れて登校するようになったのです。
母の作ってくれたアイテムが…
「タオルハンカチのような生理用ポーチ」は、タオルハンカチを折り、何カ所かまっすぐ縫うだけで完成します。簡単に作ることができたので、私は母に作り方を教わって、自分のお気に入りのタオルハンカチでいくつもポーチを作りました。
そして、そのポーチを見た友だちが「作ってみたい!」と言ったので、作り方を教えてあげたところ、いつの間にかクラス中に広まって、中学1年生のときの私のクラスでは、このポーチがちょっとしたブームになりました。
この母から教わったタオルハンカチで作る生理用ポーチは、今でも私のお気に入り。年に何枚か新しい物を縫っています。生理は恥ずかしいことではないけれど、初潮を迎えたばかりの「ちょっと恥ずかしい気持ち」を軽んじないことは大人の女性として大切だと思っています。私も娘ができたら、母のような心づかいをしてあげたいと考えています。
著者/支倉律花
作画/コジママユコ
監修/助産師 REIKO
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