【前回のあらすじ】個人クリニックにて、胞状奇胎(ほうじょうきたい ※1)との診断を受けた、月野ねこさん。大きな悲しみに耐えながらも、2度にわたる子宮内容除去手術(いわゆる中絶手術)を受けました。しかし、手術から2カ月が経過しても、HCG(※2)の数値が下がらないのです。そこで、本格的な治療をするため、大学病院に転院することに。そして、大学病院で精密検査を受けた数日後、医師から電話がかかってきて「病理検査(※3)の結果、癌細胞は見つかりませんでした」とうれしい報告を受けたのですが……。
※1=胞状奇胎は、異常妊娠・絨毛性疾患の1つ。本来は胎盤になるはずの絨毛が異常増殖し、ぶどうのような粒がたくさん子宮内に発生する。
※2=ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン。妊娠初期に受精卵から尿中に分泌され始め、妊娠10週でホルモン値がピークになるが、通常ではその後、HCG値は下降する。
※3=癌細胞がないか、どのような病気かなどを顕微鏡で観察して調べる検査。
※月野ねこさんご本人の体験談ですが、作中での月野ねこさんは“豆田あんこ”という名前になっています。
抗がん剤を使うしかないの?
※侵入奇胎(しんにゅうきたい)=胞状奇胎の細胞が、子宮内の筋肉や血管内に侵入した状態のこと。
ねこさんの担当医となったのは、大学病院で婦人科医を担当している藤原医師でした。藤原医師によると、前回の子宮内容除去手術で採取した細胞を病理検査に回した結果、癌細胞は見つからなかったそう。
しかし……
「先生。私の病気って侵入奇胎なんですよね? これから抗がん剤を使うんですよね?」と、事実を確かめるべく、勇気を出して自ら医師に質問したねこさん。HCG値が上がっていることや、肺に病相が見つかったことから、ねこさんは事前にネットで情報を集め、自分が侵入奇胎になったことをほぼ確信していたのです。
このころのねこさんは、毎日のようにネットで侵入奇胎について調べては、
(胞状奇胎になったことすら受け止めきれていないのに、さらに悪化して侵入奇胎になってしまうなんて……。自分の体のことなのに、まだ信じられない……)
(前がん段階とはいえど、侵入奇胎なら抗がん剤治療を受けるしかないのか……)
と、自分が病気になってしまったことや、抗がん剤治療を使った治療を始めることに実感が湧かず、ただただショックを受けていました。
自分の体が病気に蝕まれ、どんどん悪い方向に進んでいく恐怖に怯えるねこさん。しかし、「先生も抗がん剤治療をすれば治るって言ってくれているし……まだ泣くには早い!」と、泣くのを必死に我慢したのでした。
監修/助産師 REIKO
前のお話:「すぐ出な!」病院から緊急の連絡が!夫に急かされ電話に出ると… #妊娠したら癌になった話 7
月野ねこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪
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