頭を悩ませていた食事の用意
義父母と同居し始めて、生活リズムや食事の好みが違うことはわかっていました。それでも一緒に食事ができるように用意していました。義父母のスタイルは変わらず、お酒を飲んだあとにごはんを食べるので最初はおかずだけ。
子どもたちは基本的になんでも食べてくれますが、好きな食べ物はカレーやハンバーグ。好みもスタイルも違うので毎日何を作ろうか頭を抱えていました。しかも、飲み始める時間が早い義父母。仕事から帰ってきて、義父母のタイミングに合わせるのはかんたんなことではありません。自分たちのおつまみ程度は義母が用意してくれてはいたものの、私は毎日バタバタしていました。
義母の衝撃発言
ある日、いつものように食事の準備をして、みんなが食べだしてから最後にようやく座って私も食べようとしたときのことです。その日は長男の好きな魚料理でした。長男が「おいしいね!」と言ってくれたので、私も笑顔で食べようとしていました。すると、「え!? 本当に? これがおいしいと思えるなんて味覚おかしいんじゃないの?」と義母が衝撃の発言をしたのです……。
たしかに私は料理が得意なほうではありません。しかし、レシピ本や料理アプリを見ながら一生懸命作っています。得意な料理もあり、夫や子どもたちには好評です。それでも私に対する味の批判なら構いません。しかし、長男に対してこのようなことを言ったことがショックで、唖然としてしまいました。
食事を作るのが怖くなって…
私に「味が薄い」、「おいしくない」などと言ってくれれば、次には改善できることもあります。しかし、わざわざ「おいしい」と食べてくれている長男に「味覚がおかしい」などと言うのは違うのではないかと、悲しくなりました。
私は、「食べるタイミングや食の好み、食事に対する価値観が違います。もう一緒に食事をするのは無理なので、食事や食費は別々にしてほしい」と義母に相談しました。すると「できることはするから」と義母。
けれども義父母たちの食事スタイルが変わることはありませんでした。次第に食事を作るのが怖くなっていった私。ストレスでめまいや過呼吸、動悸が激しくなるなど私の体調に変化がでるようになってしまいました。
義母が何かにつけて言ってくるのは夫が不在のとき。もう限界だと夫に相談をしました。夫もいろいろ思うところがあったのもあり、夫から義父母に話をし、別居することになりました。別居後、私は心身ともに落ち着きを取り戻せたように思います。夫と子どもたちのために料理ができて、家族での楽しい食事の時間を持てるようになったことがうれしいです。義父母とは、距離があってたまに会うくらいになりましたが、結果的によい関係を築けるようになりました。別居のきっかけは食事でしたが、義父母との関係もよくなったので、別居してよかったと思っています。
著者:松田みさと
長男と次男が15歳差の2男2女の母。仕事をしながら子育てに奮闘中。現在はライターとして、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。