【前回のあらすじ】個人クリニックにて、胞状奇胎(ほうじょうきたい ※1)との診断を受けた、月野ねこさん。その後、大学病院に転院して精密検査を受けたところ、胞状奇胎から侵入奇胎(しんにゅうきたい ※2)になったことが判明。ある月の金曜日から大学病院に入院し、週明けの月曜日から抗がん剤での治療を始めることに。そして、「不安でしかないけど、やるしかないんだ」という気持ちで月曜日の朝を迎え……。
※1=胞状奇胎は、異常妊娠・絨毛性疾患の1つ。本来は胎盤になるはずの絨毛が異常増殖し、ぶどうのような粒がたくさん子宮内に発生する。
※2=侵入奇胎とは、胞状奇胎の細胞が、子宮内の筋肉や血管内に侵入した状態のこと。
※月野ねこさんご本人の体験談ですが、作中での月野ねこさんは“豆田あんこ”という名前になっています。
人生で最も長くつらい夜
※イラストでは注射針が手首の方向を向いていますが、通常は肘の方向に向けて注射針を挿入します。
※抗がん剤の後に水を流すのは、医学用語でヘパリンロックと呼ばれる手技です。血液が凝固してカテーテル(体内に挿入する管のこと)が閉塞するのを防ぐため、カテーテル内をヘパリン加生理食塩水で満たします。
月曜日の朝10時、ついに始まった抗がん剤治療。今回、ねこさんが患っている侵入奇胎の治療には「メトトレキセート(=メトトレキサート)」と呼ばれる、がん細胞の増殖を抑える抗がん剤が用いられました。メトトレキセートは、絨毛がん・侵入奇胎などの絨毛性疾患のほか、白血病などの治療にも使われる薬です。
メトトレキセートは筋肉注射をするのが一般的なのですが、ねこさんのように点滴の中に混ぜて投与するケースもあり、病院の先生の方針によって投薬方法が異なるそうです。
点滴終了後、「なんか……あっという間に終わったな」と肩透かしを食らい、抗がん剤治療への不安が少しだけ和らいだねこさん。しかし、その日の夜が大変でした。
今まで体験した風邪や胃腸炎、妊娠中の吐きづわりなんて比べものにならないほどの強烈な吐き気。頑張って水分をとってもすぐにリバースしてしまい、到底寝つけやしません。あまりのつらさに、深夜に限界を迎えたねこさんは、申し訳ないと感じながらもナースコールを押し、看護師さんに助けを求めました。
そうして、水分補給も兼ねて吐き気止めを混ぜた点滴を打ってもらい、苦しみながらもようやく就寝。
「この日が人生で最も長くつらい夜だった」と、ねこさんは語っています。
ちなみに、翌朝になったらスッキリ! ということもなく、目覚めたときもまだ気持ち悪さが続いていたのだとか。これが5日間続くとなると、かなりつらいですね。
医療監修/天神尚子先生(三鷹レディースクリニック 院長)
月野ねこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!