人生で1番驚いた43回目の誕生日
これは、著者であるはなうたねこさんが、過去に実際に体験したお話です。
43歳の誕生日当日。なんと……子宮からレバーのような血の塊とともに大量の出血が!
実は、はなうたねこさんは今回の大量出血をする前に、1〜2年ほど毎日少量の出血が続いていたらしいのですが、生理不順と思い、病院には行かなかったそうです。しかし、今回はさすがに不安を感じ、悩んだあげく、近所のクリニックへ。
内診と超音波検査の結果、「子宮内膜症か、もしくは子宮体がんの前段階のおそれがあります」と医師に告げられ、精密検査を受けるよう大きな病院を紹介されました。
後日。大きな病院では、内診で細胞を採取され、血液検査やMRIもおこないました。
それから約2週間後、検査の結果は……。
「残念ですが、子宮体がんです」
「発症してから、もう10年くらい経っているかもしれません」
医師からの突然がんを宣告され、はなうたねこさんの頭は真っ白に。
「私が、がん……?」
「子宮体がんになって10年くらい経っているって、どういうこと……?」
状況がまったく理解できません。
そもそも、子宮がんには、子宮深部(赤ちゃんが出産まで留まる部分)に発生する『子宮体がん』と、子宮頚部(腟につながる部分)に発生する『子宮頸がん』の2つがあります。はなうたねこさんは、そのうちの子宮体がんでした。
医師に「すぐ手術しましょう」と言われ、急きょ、17日後に手術を受けることに。
また、子宮体がんは、がん細胞の転移がどの程度進んでいるかによって、ステージが分かれています。
はなうたねこさんの場合は、良くてⅠC、悪くてⅢCで、手術をしてみないとわからないとのことでした。
病院で「がんです」と宣告された帰り道、自分以外の人間が全員健康そうに見え、うらやましく感じてしまった、はなうたねこさん。今まで大きな病気にかかったことがなかった分、「健康だけが取り柄だったのに……」と、ショックもより一層大きかったそうです。
そうして、なんの心の準備もないまま、はなうたねこさんは『子宮体がん』という、大きな病と闘うことになってしまいました。
自宅に帰り、少し冷静になったはなうたねこさん。すると、今度はこれからの不安に襲われました。
「仕事は続けられるんだろうか」
「今はひとり暮らしだけど、生活はどうなるんだろう」
「がんが悪化したら? 入院を繰り返すの?」
そんな中、はなうたねこさんが最も懸念したのは、高額になるであろう医療費のことでした。
当時、貯金もあまりできておらず、医療保険も入っていなかった、はなうたねこさん。
しかし、結果的にはお母さんやお姉さんが援助してくれて、どうにかなったそうです。
加えて、全国健康保険協会(協会けんぽ)で発行してもらった限度額適用認定証を病院に提出したことで、高額医療費控除が適用されました。限度額適用認定証では、所得額に応じて負担する医療費上限が決まり、限度額を超えた金額は、あとで払い戻される仕組みになっています。
手術当日までの約2週間は、「がんなんてやっつけてやる! 今は先制攻撃されているだけで、これからはこっちのターン! 手術で一気に形勢逆転だ!」と前向きになれる日もあれば、「はあ……私ががんになるなんて」と落ち込む日もあったそうです。
ちなみに、はなうたねこさんなりに考えた結果、がんになった原因には2つほど思い当たるものがありました。
1つは、両親ががんだったこと。遺伝によって自分もがんになったのでは?と考えたのです。
もう1つは、11〜20歳まで月に2回ほど(=15日周期で)生理があったこと。あくまで個人の推測に過ぎませんが、1カ月のうちに2回も生理がくることで子宮が疲れ果て、がんになってしまったのでは?とも考えたのだとか。
子宮体がんは40代後半から増加し、50~60歳代にかけて発症のピークとなるそうです。そのため、30代で発症したはなうたねこさんは、レアケースなのかもしれません。
子宮体がんの症状で最も多いのは、不正出血です。閉経後や生理期間中以外に不正出血があった場合は、子宮体がんを含めて何かしらの病気が潜んでいるおそれもあります。はなうたねこさんの言うように、自分の体調に少しでも異変を感じて心配になったら、早めに婦人科で相談するのがいいかもしれませんね。
監修/助産師 REIKO
はなうたねこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪
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