今回ご紹介するのは、大学生のときに緊急避妊薬を飲むことになった蓮花さんのケースです。避妊については毎回しっかりしているつもりでいた蓮花さんと彼ですが、ある夜、コンドームが破けていたことが判明。緊急避妊薬の存在を知ったものの、受診しないともらえない薬とわかり、2人は焦りました。その理由は――。
蓮花さんも彼も住まいが都市部ではなく、近くに緊急避妊薬を処方してもらえる婦人科がありませんでした。また、2人とも学生の身。週明けすぐの月曜日には、どうしても抜けられない授業があり、すぐに受診することが難しかったのです。月曜午後の受診・服用となると、期限の72時間まであとわずか。心配ではありましたが、蓮花さんとしてはその時間に受診するしかありませんでした。彼は一緒にくることができず、心細い受診……。そしてやはり婦人科では排卵が近いと診断され、蓮花さんは必至の思いで、緊急避妊薬の処方をお願いしたのです。
緊急避妊薬とは、ひと言でいうと排卵を抑えるホルモンを含んでいる薬です。排卵していなければ妊娠しないので、避妊に失敗した・避妊ができなかったと思ったときは、排卵よりも前に服用して排卵を抑制すれば、高い避妊効果を発揮します。
なお、服用は、避妊に失敗してしまったときから72時間以内が原則。それは、精子が子宮内で活動できる期間は、3日間(=72時間)と言われているため、精子が活動できる72時間以内に排卵を止めなければ、子宮内で精子と卵子が出会って受精する可能性があるからです。なお、以前は、72時間以内であればいつ服用してもいいと言われていましたが、現在は服用は避妊に失敗してしまった瞬間から早ければ早いほうが効果が高いとされています。
また、コンドームは性感染症予防には有効と言われているものの、避妊においては失敗がないとは言えません。避妊のためには、女性が主体となって避妊できる、ピルの服用や避妊リングとも呼ばれるIUD(子宮内避妊具)の使用のほうが、男性用の避妊具よりも失敗が少なく、避妊効果が高いと言われています。
原案/柳 蓮花
作画/小出ちゃこ
監修/助産師 松田玲子
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