ベビーカレンダーは、多様化している家族のあり方=『新しい家族のカタチ』について発信する取り組みを開始しました。当事者のリアルな声を紹介していきます。多様な幸せを実現できる社会、そして、もっと「家族を持ちたい」「赤ちゃんを産みたい」と思う人が増える世の中づくりの一助となりますように。
家族で旅をする理由
東京で営業のお仕事をされていたまささん。みほさんとは東京で出会い結婚しました。当時2人はそれぞれ仕事をしていて、それなりに余裕のある暮らしだったそうです。しかし、休みなく働くことに疑問を感じ、会社を辞めて、夫婦でワーキングホリデービザを取得。2012年に夢だったカナダへ出発しました。当初は1年後に帰国する予定でしたが、カナダ生活がすっかり気に入った2人。ワークビザを取得できる職場を探し、カナダ生活を継続したのだそうです。
そして、10年間カナダで暮らしている間に2人の子どもに恵まれ、家族4人で2年間トレーラー生活をしていました。トレーラーハウスとは、住宅の設備を備えた車のこと。カナダではトレーラハウスを購入し、主にキャンプ場で暮らしていたそうです。
「旅はすごく刺激を受け、自分自身の成長にも繋がります。旅=人生です」と話すまささん。カナダへと旅に出たのは、自分で選択しないまま人生が進んでいっているように感じたことがきっかけだったと言います。
現在は日本に帰ってきて、お世話になった方々やフォロワーさんなどたくさんの人に出会いながら、北海道から沖縄まで自走式キャンピングカーで日本全国を巡っています。
まささんの旅のコンセプトは『人に出会う』『人とつながる』。
生きる上で大切なことは「自分で考え、自分で決定し、自分で道を決めること」だと語るみほさん。
子どもたちには、「旅で人と出会って多様な文化を知って視野を広げ、好きなことをして生きて欲しい」と2人は話します。
それでは、カナダのバンクーバー島でのトレーラー生活は、いったいどのようなものだったのでしょうか。お仕事は? 保育園は? それからトレーラーハウスはいくらぐらいかかるの? 家賃は発生するの? などなど、疑問がいっぱい。
当時のモーニングルーティンとともに紹介します!
トレーラーハウスから保育園へ!?モーニングルーティン
まずはカナダでのトレーラーハウス暮らしのモーニングルーティンを見てみましょう。この日はクリスマスを目前にした12月の半ばです。
朝8:15 朝食
外の気温は2度。でも、ガスヒーター・ポータブルヒーターのおかげでトレーラーの中はポカポカです。和食中心の松山家。今日の朝ごはんは納豆うどん♪
日本で食べられるものは揃えているそうです。
家族そろって、いただきます!
自分でお着換えができたことを話す、ゼンくん。パパにお話を聞いて褒めてもらってとってもうれしそう! 「なんでも自分でやってみる」これが松山家の方針です。
8:45am ゼンくん保育園に出発!
準備ができると、まささんはゼンくんを車に乗せて保育園まで送ります。みほさんが1人の時間が持てるように、次男のセージくんも一緒に連れて行くのが日課です。
英語にこのころ自信がなかったゼンくんは、保育園ではおとなしいそうですが、元気よく出発! 高速道路を利用しますが、カナダでは無料! そして渋滞はまったくないのだそう。
保育園は山の上の方にあり、山、海、島が見えてとても景色が良いのだとか。保育園に到着したまささんが景色に見とれていると、「それより早く行こうよ」とニコニコのゼンくん。保育園が大好きな様子が伝わってきます。
一方、3人を送り出したみほさんはと言うと……。
「ようやくわが家に静寂が訪れました」と、洗い物・部屋の片づけなどのお掃除タイムが始まりました。
トレーラーハウス全体に掃除機をかけても約5分。「掃除がすごくラクなのが、気に入っているポイントです」とみほさん。
10時ごろにこれらの家事を終えると、つかの間の1人時間。
音楽を流しながらストレッチをされていることが多いそうですよ。ここはカナダの自然あふれるキャンプ場。窓の外には緑が見えて、体も心も気持ちよくなれそうですね。
9:10am 次男セージくんはお昼寝タイムへ
長男ゼンくんを保育園に送り届けたまささんはと言うと……。
山道を2人でドライブしながら、次男のセージくんの寝かしつけ。11時くらいまではまささんはセージくんのことを見るようにしているそうです。
「チームワークがとても大事。小さなことで喧嘩している場合ではなく、人間力が試されるんですよ」とまささんは語ります。家事も分担しているとのこと。
そして気持ちよさそうにセージくんがお昼寝すると、まささんも1人時間へ。この時間は「頭の中を整理する時間」だと言います。
次のビジネスについて、クリエイティブなことについて思案する、なくてはならない貴重な時間です。開放的でメディテーションにピッタリの環境に見えますね。
11:00am お仕事タイム
10時半にまささんとセージくんはトレーラーハウスに戻り、11時からまささんのお仕事タイム。まささんは、カナダに住み始めてから、ビジネスを立ち上げ遠隔で運営したり、Youtubeを編集したり。トレーラーハウス住まいのこのときは、家の中かキャンプ場のラウンジでパソコンを使っていたそうです。
松山家のようにトレーラーハウスで暮らしている方など、ラウンジにはいろいろな人が集まります。「ここではいろいろな生き方をした人に出会える。そしてみんなが家族みたいで、それがいい!」とまささん。
「環境や出会いによって人は簡単に変われる」と、まささんはご自身の体験を通して感じているそう。「早く歳をとりたい! 子どもたちの将来が楽しみ!」と日々本当に充実されていて人生を楽しんでいる様子が伝わってきます。
いったい家賃はいくら?生活費は?トレーラーハウスは格安!?
ところで、とても素敵なトレーラーハウスですが、住居も兼ねた車なので、キッチンやシャワーなどいろいろな設備がついています。いったいいくらぐらいで購入したのでしょう?
その額は……!
12,000ドル(税抜き)!
日本円にして当時の物価で100万円弱!
小さいとはいえ、この金額でトイレもシャワーもキッチンも電子レンジや冷蔵庫、ベッドなどが完備された家が購入できるというのは、破格かもしれませんね。
まささんは販売サイトを通じて、中古車を個人から購入したそうです。
ただ、壊れている箇所がいくつかあり、修理代を全て含めると200万円ちょっとだったとのこと。自分でDIYをする必要があり、それは結構大変だったそうです。やり始めて「DIY向いていないかも……」とも思ったそうですが、お友だちにも協力してもらい、素敵なトレーラーハウスが完成しました!
とにかくすべての修理を自分でしたとのこと。
もし森の中でトレーラーが壊れた場合、自分でできないと困りますよね。まささんは雨漏りや水漏れなど、あらゆることをすべて自分で直していたそうです。
気になる家賃は? キャンプ場に住むっていくらかかるの?
キャンプ場で暮らしていたまささんたちご一家は、毎月家賃を支払っていました。
コロナ禍ということもあり、窓越しに金額を自分で聞いて支払うシステムだったそうです。電気、ガスもキャンプ場の設備をトレーラーハウスに接続して使用する仕組み。そのため家賃と一緒にそれらの費用も支払います。ちなみにカナダでは水道代が無料。厳密にいうと、税金に含まれているのだそうです。
「寒いのでたくさんヒーターも使ったし」と電気代も気になるまささん。
気になる金額は……!
電気代もガス代も入って426ドル! 当時の日本円で約35,000円でした。
ちなみに前の先月は、777ドル!(当時、日本円で約64,000円)
お友だちが遊びにきたこともあって少々高め。月によっても結構差がありますね。
「トレーラー生活なので家賃は安いけれど、なるべくトレーラー生活で家賃はかけたくないよね。夏は3倍になってしまうだろうし……。」と話し合う2人。どうやったら生活費を減らせるか、できることはないかと、いつも2人で話し合っていたそうです。生活のことすべてを自分の力で決めなければいけないトレーラー生活。夫婦のコミュニケーションがポイントのようですね。
「普通の家に比べるとトレーラーハウスのクオリティは低いと思います。『トレーラー生活、憧れます』と言われることも多いですが、実際にやってみると思った以上にやらないといけないことがたくさんあります」とまささん。
けれども、「旅はいろんな出会いがあり、刺激があってたくさんのことを学べる。旅を攻略できれば人生を攻略できる」そんな風に考えているのだそう。確固たる信念のもと、このライフスタイルを貫いているご夫婦は、多様な文化を受け入れ、とても魅力的です。
「どんな人生になるのか楽しみ」と語るまささんの瞳はキラキラと輝いています。
◇ ◇ ◇
限られたスペースで生活されている松山家。
ある日、雨の中ゴミを車で捨てに行くというまささんに、みほさんは「1人で大丈夫?」と声をかけていました。そこには自然とお互いを思いやるやさしさがあります。
また、意識的にそれぞれが自分時間を確保する工夫されていたのも印象的。家族みんながお互いを尊重しあい、心地よく暮らすためにどうすればいいのかを考えているからこそ、このトレーラー生活を楽しんでいるのでしょうね。
現在は日本の拠点を探すため、家族4人キャンピングカーで日本一周中。動画は日本各地から配信されていて、見ているだけでおもしろい……!
松山家の旅生活はまだまだ続きます!
YouTubeチャンネル「キャンプの松山家。」さんの動画では、トレーラー生活の大変なこと・素晴らしい出会いなどありのままの動画がたくさん! 海外生活やトレーラー生活に興味がある方はぜひ参考になさってくださいね。