うまくいかなかった婚活パーティ。ひとりの帰り道に…
当時の私は10回以上婚活パーティに参加しており、緊張感もなくなっている状態でした。参加者が男女ともに10〜20人ほどで、全員とのトークタイムが5分ずつある中規模パーティーに参加することが多かったです。一度にたくさんの人と出会えますし、全員と話す機会があるので相手の雰囲気もわかるので効率が良いと思っていました。ただ、20人近い人数と会話をすると、最初のほうに話した人はほとんど印象に残りません。どんな雰囲気かメモしようと思うのですが相手が次々に入れ替わるのでそんな余裕もなく、第一印象を○△×の記号を書くのが精いっぱい。その日参加したパーティで、一番素敵だなと思った相手は人気2位の男性で、結局マッチングすることなく一人で帰ることになりました。
帰り道のエレベーターで思わぬ出会いが!
思うような結果にならず、落ち込みながらエレベーターに乗ろうとすると背の高い男性がドアを開けていてくれていました。そのとき、彼にまるで光が差しているようにキラキラ輝いて見えたのを覚えています。決して顔立ちがハンサムというわけではなかったですが、清潔感のあるジャケット姿が好印象でした。エレベーターが閉まると、その彼から「お疲れさまでした。人が多かったですね」と声を掛けてくれたのです。
側から見ればナンパですが、同じ婚活パーティに参加していた方だったので、私も自然に「お疲れさまでした。たくさんお話しして大変でしたね」と当たり障りない返事をしました。彼ともパーティでも話したはずですが、あまり印象がありません。彼は少し緊張していましたが、会話のリードは自然でそのまま駅まで送ってもらうことになりました。
彼からお茶に誘われましたが、パーティでたくさんの人と話して正直とても疲れていたので、やんわりとお断りした私。連絡先だけ交換し、帰宅するとすぐにパーティー中に書いた印象メモをチェックしました。
婚活の経験を重ねると、第一印象が悪いと大抵うまくいかないとわかっていたので、彼に対してどう感じたか気になったのです。メモを見てみると、彼のことは○という記号と「さわやか」と書かれていて、第一印象もよかったことがわかり安心しました。
付き合って見えてきた彼の姿に…
マッチングはしなかったものの、婚活パーティーの帰りでの出会いだったのでお付き合いから結婚までの流れはスムーズでした。出会ってから3か月目に告白され恋人になったあとは、彼も安心したのか、冗談っぽくあることで責められたことがあります。それはパーティーでマッチングしなかったことについてです。彼からは、「君が素敵だと思って番号を書いたけれど、君は僕の番号を書いてくれなかった」と言われ「ごめんね」と謝るしかありませんでしたが、すねる彼を見て私はイヤな気持ちはせず「素直でかわいい人だな」と思ってしまいました。
実は私自身もパーティー内で彼とマッチングしなかったことを不安に感じていたのです。もしかしたら彼は他の人の番号を書いていて、帰り道にたまたま一緒になった私に声をかけただけかも、と思っていたので彼が番号を書いてくれていたことを知り、安心しました。
私が彼の番号を書かなかったことに対して彼は冗談っぽくすねることもありましたが、「最初は選ばれなかったけど、自分が努力して好きになってもらえた」と自信につながった部分もあったようです。男性は追いかける恋愛が好き、というのは本当なのかもと思った出来事でした。
それから、出会って1年後にプロポーズされ婚約し、さらに1年後には無事に結婚しました。
夫に出会うまでは、婚活を2年以上続けてもなかなか成果が出ず、疲れ果てて正直辞めてしまいたいと悩んでいました。自分は恋愛や結婚に向いていないタイプなのかな、と極限まで悩んでいましたが、第一印象ならぬ第二印象でピンときた夫と出会えて幸せが訪れました。婚活をあきらめず、あのときのエレベーターで感じた気持ちを信じてよかったです。
著者/尾上 里美
作画/あさうえさい
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