精神の限界を迎えた私は…
抗がん剤の種類を変えながら侵入奇胎(※1)の治療を続け、2度目の入院生活を終えて退院した月野ねこさん。しかし、安心するはずの家に帰ってきてからも、抗がん剤の副作用で体がだるく思うように動けず、家事も育児もできないことでの自己嫌悪が、どんどん強くなっていきました。さらに、今後の治療への不安も募り、「私は家にいても何もできない。ただ邪魔なだけの存在だ」と、ついに精神が限界を迎えてしまい……。
※1=侵入奇胎とは、胞状奇胎(異常妊娠・絨毛性疾患の1つ。本来は胎盤になるはずの絨毛が異常増殖し、ぶどうのような粒がたくさん子宮内に発生する)の細胞が、子宮内の筋肉や血管内に侵入した状態のこと。前がん段階といわれている。
※月野ねこさんご本人の体験談ですが、作中での月野ねこさんは“豆田あんこ”という名前になっています。
「もう治療したくないよ、本当に治るのか不安だよ」「家に帰ってきても何もできないし、私なんてお荷物なだけで、私みたいな人間がママだなんて子どもたちがかわいそうだよ」と、抱え込んでいたやるせない感情を夫にぶつけた月野ねこさん。しかし、夫はため息をついて「またそれ? 考えたってどうしようもないじゃん」と言うのみで、ねこさんの気持ちに寄り添ってはくれませんでした。
ーーもうダメだ、この家にいても私はお荷物なだけだ。私はこの家のガンなのだから、存在している限り家族を蝕んでしまう。私なんていないほうがいいんだ。
そう考えた月野ねこさんは、動揺し泣きじゃくる娘を置いて、夜の10時に家を飛び出してしまいました。
月野ねこさんいわく、このときは自分が家を出ることが最善だと判断し、娘さんの泣く声が家の外まで聞こえていても、聞こえないふりをして家を出て行ってしまったそうです。当時のことを振り返ると、大切な娘を傷つけてしまった自分の行動はとても愚かだったと後悔している、と語っています。精神が限界を迎えてしまった月野ねこさん。このとき、旦那さんがもう少し寄り添ってあげていれば、ねこさんの行動も少しは変わっていたのかもしれませんね。
監修/助産師 松田玲子
月野ねこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪
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