イマジナリーフレンドとの再会
抗がん剤投与による侵入奇胎(※1)治療のため、2度の入院生活を経て退院した月野ねこさん。しかし、退院後も抗がん剤の副作用の影響で体がだるくて思うように動けず、育児や家事は夫や母に任せきりで、寝たきりの生活を送っていました。
ある日の夜、「家族にとって私はただのお荷物でしかない。私はこの家にとってのガンのようなもので、存在していてもみんなを蝕むだけだ」と精神的に追い詰められてしまった月野ねこさんは、「ママ、行かないで」と動揺して泣きじゃくる娘を置いたまま、家を飛び出してしまい……。
※1=侵入奇胎とは、胞状奇胎(異常妊娠・絨毛性疾患の1つ。本来は胎盤になるはずの絨毛が異常増殖し、ぶどうのような粒がたくさん子宮内に発生する)の細胞が、子宮内の筋肉や血管内に侵入した状態のこと。前がん段階といわれている。
※月野ねこさんご本人の体験談ですが、作中での月野ねこさんは“豆田あんこ”という名前になっています。
イマジナリーフレンドとは、実在しない空想上の友だちのこと。「スピリチュアルな話なので、この出来事をどういうふうに描こうか迷った」と話していた、月野ねこさん。漫画ではイマジナリーフレンドを白いモヤで表現していますが、実際は人によってイマジナリーフレンドの姿は異なるそうで、ねこさんの場合は小学生のころに大切にしていたクジラの人形の姿なのだそうです。
家を飛び出したあとは誰もいない路肩に座り込み、イマジナリーフレンドと会話をしていた月野ねこさん。イマジナリーフレンドは、月野ねこさんが苦しんでいるときにいつもそばにいてくれ、今回も「退院して家に帰ってきたのは娘を悲しませるためでも、夫を心配させるためでもないよね? みんなで笑顔で過ごすために帰ってきたんだよね?」と、ねこさんの気持ちにやさしく寄り添ってくれました。その後、大切な友だちの適切な助言のおかげで冷静になれて、家族が待つ家へと帰ることができたそうです。
イマジナリーフレンドの存在は長子やひとりっ子によく見られ、5〜6歳ごろ、または10歳ごろに出現し、一般的には児童期に消失するため、大人になってからも会話ができることはまれなのだとか。月野ねこさんの場合も小学生時代に一度見えなくなったのですが、今回、病気になってから再びイマジナリーフレンドが現れるようになったそうです。そう考えると、イマジナリーフレンドは月野ねこさんを支えるために生まれた存在なのかもしれませんね。
監修/助産師 松田玲子
月野ねこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪
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