初潮が遅いことに焦り始める
小学校高学年あたりから私がずっと気に病んでいたのが、なかなか初潮がこなかったことです。
ちょうど友だちに初潮がきたという子がちらほら現れ始めたころ。「私は早生まれだからきっと遅いほうだろうな」と最初は余裕で構えていました。しかし中学校に入学しても初潮は訪れず……。
周りの友だちが生理の話題で盛り上がったりナプキンの貸し借りをしたりしている様子を見ると、「初潮がきていないのって私だけ?」と悩むようになっていきました。
「生理がきた」と友だちに嘘をつくように
中学生のころは生理初心者ということもあって周りの様子を知りたいからか、友人たちの中では「何日目が一番量が多い?」「初めて生理がきたときってどうだった?」などと生理の話題がよく上がっていました。そんな中、初潮を迎えていないことが恥ずかしくなり、いつしか自分も生理がきていると嘘をつくようになった私。
友人から聞いた話をもとに「2日目が一番多いかな」「はじめは血が茶色くてびっくりしたよ」と無難な回答を考えていました。そのときの気まずさや「嘘だとバレていないかな」とドキドキした後ろめたさを、今でもよく覚えています。
見栄を張って嘘をつかなければよかった
その後、私は14歳で初潮を迎えました。初潮を迎えたとき、真っ先に思ったのが「ああ、もう友だちに嘘をつかなくていいんだ」ということ。
生理に関する思い出を振り返ると、初潮を迎えてうれしかった気持ちよりも、友だちに必死で自分を取り繕った気まずさのほうが色濃く思い出されます。「見栄を張って嘘をつかなければよかった」ということを今でも後悔しているのです。
今振り返ればたった数カ月や数年、初潮が人より遅かったことなんて何も恥ずかしくないことだとわかります。しかし当時は「生理がくる=大人の女性になる」という認識から、自分だけが幼い子どものままでいるように感じられてとても恥ずかしかったのです。
自分の娘には、自分の成長ペースを自然に受け入れられるように、「成長にはそれぞれペースがあるんだよ」「お母さんはこんなふうに悩んでいたんだよ」と話しておきたいなと思っています。
著者/榎本まいこ
作画/ちゃこ
監修/助産師 松田玲子
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