育児をしながらの作業は思うように進まず
ところがいざ仕事を開始してみると、まったく思うようにいきませんでした。娘はまだ生後2カ月で日中は寝ていることが多かったので、寝ている隙を狙って仕事をしていました。
しかし、「さあ寝たぞ! やるぞ!」と仕事を始めても、ノッてきたタイミングで娘が「ふにゃあ」と泣き出します。娘が起きたら授乳や寝かしつけに1~2時間はかかるため、仕事はまったく進みません。1日が一瞬で終わり、娘が寝ている間は仕事か家事をしているので、私は息をつく暇もありませんでした。
産後の思考力低下に悩む日々…
もう1つ私の頭を悩ませていたのが、産後のマミーブレインという症状でした。産後、一時的に脳が委縮し思考力が低下する状態で、産後によく起こる症状の1つだそう。仕事を再開したものの、常に頭にもやがかかったような状態で、何をするにもとにかく時間がかかりました。
娘を産む前はなんてことなかった簡単な作業でさえも、頭が働かず「どうやるんだっけ?」状態。とはいえ仕事をしないわけにはいかないため、ものすごくスローペースになりながらも、私はなんとか目の前の作業を必死にこなしました。
保育園入園で仕事と娘に向き合えるように
私は「もうこれはしんどい。無理かもしれない」と心が折れそうになりながら毎日を過ごしていましたが、娘が生後3カ月になったときにようやく保育園入園が決まり、翌月から通園できることに。
育児の合間に仕事をしていたときは、娘のお世話をしながらも頭の中は仕事のことでいっぱいになっており、「きちんと娘に集中できていないな」という罪悪感を抱いていました。しかし、保育園に入園し、日中仕事に集中できるようになったことで、保育園以外の時間は娘とたっぷりと向き合えるように……。
育児との両立とマミーブレインに悩まされた仕事復帰でしたが、とにかく目の前のことに必死で目まぐるしい毎日だったなと感じます。生後3カ月で保育園に預けたときは、娘に対して申し訳ない気持ちがありましたが、保育士さんと周りのお友だちの愛情をたっぷり受けて、娘はのびのびと育ってくれました。今さらですが、あのとき必死だった自分を褒めてあげたい気持ちでいっぱいです。
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監修/助産師 松田玲子
著者:南星 花
3歳と0歳の姉妹と、発達障害の夫、13歳の猫と暮らす。妊娠中に夫の失業、切迫早産、胎児発育不全など、さまざまなトラブルを体験。IT業界で働くワーキングマザー。