人の多い公園でひとりの男の子
休日の公園には、ウォーキングをする高齢者や、集まってゲームをする学生などさまざまな人がいました。娘と同じくらいの年の子も多くいたのですが、その中にいたのがひとりで遊ぶ男の子。
男の子と砂場で一緒になりましたが、あたりを探しても親御さんの姿がありません。「遠くから見てるのかな?」と思いつつ、声はかけず男の子の行動を気にしながら遊んでいました。
しばらくすると娘と息子が砂場遊びに飽き、滑り台に移動すると男の子もすぐ後をついてきました。「一緒に遊ぶ?」と話しかけてみましたが、男の子は知らんぷり。
ずっとついてくる!そして…!
それでも男の子は私たちの移動先にしっかりついてきて、こちらの様子を気にしながら遊んでいます。どうしたものかと考え、再び話しかけてみました。「ママかパパは公園にいる?」「何か困っている?」と聞いてみると、「遊んでいるだけ」との答え。その後も、チラチラとこちらの様子を気にしながらついてくる男の子。
「まあ、ついてくるだけならいいか」と思っていたのですが、ブランコに乗っていたときにそれは起こりました。男の子がバランスを崩し、ブランコから落ちてしまったのです。頭から落ちたので私は「大丈夫?!」とすぐに駆け寄りました。男の子は大泣き。しかしそれでも、保護者らしい人は近寄ってきません。
パパ!まさかそこにいたとは!
男の子がある程度落ち着いたところで、「パパかママいる? 連れていってくれる?」と言うと、男の子はうなずき歩き始めました。向かった先は、学生たちが集まってゲームをしている場所。「え? えぇ?」と訳が分からないままついていくと、男の子は集団の中の1人の後ろで「パパ」と呼びました。
振り返った人の顔を見ると、確かに学生の中に大人が1人。服装が若々しく、顔を突き合わせてゲームをしていたのでまったく気づきませんでした。驚きを隠しつつ「ブランコで頭から落ちてしまって」と説明すると「ああ、はい。ありがとうございます」と無表情で男の子を引き取りました。
その後そのパパは男の子を連れて帰るでもなく、学生たちとゲームを再開。男の子はパパの横でじっと座っていて、なんだか複雑な気持ちに。公園で子どもを見ていないどころか、ゲームに没頭している姿にとても驚きました。同時に、私もついスマホに夢中になってしまうことがあるので、気をつけなければとも思った体験でした。
ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように!
著者:山口花
田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。