アコさんは、離婚の前に別居するものなのか、自分と同じように悩んでいる人のSNSを覗いてみることに。すると「カサンドラ症候群」という言葉に出合いました……。
「パートナーや家族がアスペルガー症候群のため、意思疎通ができず、心的ストレスから不安障害などの症状が起きている状態をさす」と書かれています。
あまりにも自分の症状にぴったりで、アコさんは自分が「カサンドラ症候群」なのだとはっきり自覚したのでした。この言葉との出合いは、アコさんの人生を大きく変えることになります。
夫の冗談に傷ついて…
SNSで「カサンドラ症候群」を知ったアコさん。その後、書籍やネットで調べましたが、やはり自分はこの症状なのだと納得します。
けれども、アコさんにとっては、自分がカサンドラ症候群なのか、ユーマさんがアスペルガー症候群なのかはどうでもいいことでした。一緒にいて苦痛を感じることが、アコさんにとってまぎれもない事実なのです。
離婚を視野に入れたアコさんは、在宅での仕事を増やし、下の息子を保育園に入れることにしました。するとユーマさんは、息子に言いました。
「こんな小さいのにもう保育園行かされるんだ。お前はかわいそうだな~」
ユーマさんは冗談のつもりだったのでしょう。
しかし、保育園に入れることは事実。アコさんは深く傷ついてしまいます。そして、ユーマさんとは価値観が合わないことを再認識して、離婚準備を進めるのでした。
ずっとユーマさんと意思疎通ができず、そしてそのつらさを周囲にも理解してもらえず、孤独を感じて苦しんできたアコさん。とうとう、離婚を決意したようです。ユーマさんとわかりあいたいと強く願ってきたアコさんでしたが、離れたほうが良いと判断したのですね。
今回の「保育園かわいそう」も、とても傷つく言葉ですよね。アコさんが何度も「傷つくからその言い方はやめて」と言っても、次には同じことを繰り返すのがユーマさんの特性なのだとか。相手に悪気はないとわかっていても、仮にささいな言動でも、毎日、何年も続いたら、心がすり減ってしまうものなのかもしれません。
ネットで調べてたどり着いた「カサンドラ症候群」。アコさんがそうであってもなくても、この言葉を知ったことで、他に同じように悩んでいる人がいることを知ることができてよかったですね。似た境遇の人たちの経験を参考にしながら、アコさん、そしてユーマさんのお2人がこれからの人生をより良いものにしていっていただけることを願ってやみません。
このお話は、ベビーカレンダーではこれで最終回となります。続編は、アゴ山さんのInstagramでお読みいただけますので、ぜひご覧ください!
監修/助産師 松田玲子
作画:鳥頭ゆば