そうだ、ポテトでしのごう!
午前中にたくさん遊んで、おなかがすいた子どもたち。運転中に後ろの席で「ねぇ! もうおなかペコペコ!」。娘が怒り、それに乗じて息子も「あーちゅ(おやつ)!」と声を荒らげました。いつもであれば帰宅してお昼ごはんを食べればいいのですが、その日は午後に義実家でお昼ごはんを食べる予定だった私たち。
今食べてしまうと義実家で食べてくれないし、どうしたものかと考えているときに目に飛び込んできたのが、道沿いにあったファストフード店。「フライドポテトでしのごう!」と思い、とっさにお店に入りました。
なんだか不愛想な店員さん
店内で注文中、子どもたちは腹ペコで気が立っているのか、「私がポテト持つからね!」と娘が言えば、「ない(ダメ)!」と息子が反発して、ケンカする2人。「車で食べてもいいけど、お願いだから落とさないようにね!」とくぎを刺しつつ注文を終えました。
レジで対応してくれたのは、元気にスマイルをくれる店員さんが多いファストフード店にはちょっと珍しい、ニコリともしない学生さんくらいの若い女の子。「なんかちょっと不愛想で、怖い感じの子だな……」と思っていました。そして支払い後、その店員さんは、ポテトと小さい紙コップを2つくれました。
子どもたちへのうれしい気づかい
「コップ……?」と疑問に思い、私がその店員さんの顔を見ると、「あ、すみません!」と焦った様子で、「コップにポテトを分ければ、お子さんたちが車でケンカせずに食べられるかと思ったのですが、いりませんでしたか……?」とおずおずと聞いてきました。
「そういうことか!」と合点がいき、「いえ!お気づかいありがとうございます、使わせてもらいます!」と答えました。店員さんはホッとした表情で「ありがとうございました」とニッコリ笑って、子どもたちに手を振ってくれました。
無事に車内でケンカすることなくポテトを食べられた子どもたち。勝手ですが、あの店員さんは、もしかしたらまだバイトを始めてから日が浅くて、緊張して不愛想になってしまったのかな?と想像した私。そうだとしたら、一生懸命考えてコップを2つつけてくれたのだろうなと思い、ほっこりしました。
著者:山口 花/30代女性・主婦。田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。
作画:こちょれーと
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています