なぜ? 解決するまで遊べない!
幼稚園に入園し、年少クラスのうちはできないこともたくさんありますが、娘も毎日楽しく登園していました。ママ同士も仲良くなる中で、幼稚園のお友だちと休日に遊びに行くことも増えていきました。子どもたちの年齢が低いこともあり、小さなことでぶつかってしまうことが多々あります。
そのようなときの親の対応はみんなそれぞれ違いますが、ママ友のAちゃんへの接し方に私は疑問を抱くようになりました。そのママ友はAちゃんに揉めてしまった原因を聞き、なぜそうなったのか考えさせ、解決するまで遊びには戻らせないのです。
強い言葉で子どもに話しかけるママ友
Aちゃんがしてしまったことは、すべり台の順番を抜かしてしまったというとてもささいな出来事でした。Aちゃん本人は気づかずにうっかり抜かしてしまったようなのですが、その場面を遠くから見ていたAちゃんママはAちゃんを呼び寄せると、みんなの前であるにもかかわらず「ダメでしょ! なんでそんなことしたのか早く答えなさい」とAちゃんに向けていきなり大声で叫んだのです。
周りで子どもたちが遊ぶのを見守っていた私たちは、「よくあることだし気にしないよ〜」と揃って声をかけたのですが、「今Aに聞いてるから!」と聞き入れてもらえませんでした。Aちゃんも驚いたのか答えられず、そのうちに泣き出してしまいました。
周囲の助言で徐々に変化が
その後もAちゃんママからは、「Aはあれもこれもまだできないんだ」と、頻繁に聞かされていました。Aちゃんが遊んでいたおもちゃを取られ、取り返した瞬間しか見ていなかったAちゃんママはAちゃんのそばへ行き、またもいきなり大声で怒り始たのです。私は悲しそうな顔をするAちゃんを見て心配になってしまいました。その後もママがいるときのAちゃんは、お友だちと遊んでいるときも笑顔で遊ぶことが少なくなっていたような気がします。
しかし、その後しばらくすると、笑顔でお友だちと遊ぶAちゃんの姿をたくさん見られるようになったのです。あとでAちゃんママに聞いてみると、幼稚園の先生から「子どもへの接し方を変えてみてはどうか。今の年齢ではできないことのほうが多く経験を増やしている段階なので、一緒に見守っていきましょう」とアドバイスをもらったと言っていました。
子どもが間違ってしまったときに叱ることは悪いことではないと思いますが、今回の一件から、タイミングや声のかけ方などは年齢や発達を考慮してあげることが大切だと感じました。私も子どもの叱り方に悩むこともありますが、時には幼稚園や専門の方に相談するなどして、うまく伝えていきたいです。
イラストレーター/星田つまみ
著者:高山ななみ
2013年、2015年、2018年、2020年生まれの4人の子どたちと夫との6人暮らし。医療系の資格を保有。医療の知識や子育ての経験をもとに、ライターとして活動中。