最初は笑い合いながら励まし合っていた2人でしたが、妊活を開始してから1年が経過するころには、何とも言えない空気感が漂い始めるようになっていきます。
そんなある日、拓也が「病院へ行こう」と美咲に提案。しかし美咲は、その言葉に戸惑ってしまいます。
なぜ戸惑ったのかというと、以前美咲が「評判のいい不妊治療のクリニックに一緒に通おう」と提案したとき、拓也に断られていたからなのでした。
「病院には行かないでおこう」夫が言った言葉の意図とは?
約1年前――。
美咲が不妊治療のクリニックに通うことを提案したものの、
それを拒んだ拓也。
しかし、拒むには拓也なりの理由があったのです。
「自然妊娠しなければ……
俺はそいう運命なのかもしれないなって……」
さらに話は続きます。
「病院に行くと、今回もダメだった、
次もダメだったって落ち込むし、
お金もかかってるってことで夫婦関係が
悪くなっていく未来が見えるんだ‥…」
「俺1年頑張るから、それでもし
ダメなときは……」
最後まで話を聞いた美咲は、
「わかった……」と返事をしたのでした。
◇ ◇ ◇
今回は不妊治療のクリニックに通いたくないという拓也の意見を美咲は尊重していましたが、実際問題、不妊治療の開始や、そもそもクリニックに通うことに対して、男性と女性で意見が分かれたり、そのことで夫婦関係が悪化してしまうケースもあると聞きます。不妊治療については、夫婦で協力していかなければならないので、なかなか難しい問題ですよね。