妊娠39週で破水から始まった陣痛
1日歩き回ってクタクタになり、ベッドに入ったのは日付が変わるころ。軽く寝返りをうった瞬間、プチッと何かがはじける感覚と同時に体から水が流れ出て、腰を金づちでたたかれるような強い腰痛を感じ始めました。
臨月に入って前駆陣痛はありました。しかし、ぴったり7分ごとに来る、前駆陣痛とは比べものにならない激しいおなかの張りと腰痛で、ついに陣痛が始まったことがわかりました。立ち会い出産を予定していたので、夫とともに病院へ。この時点で子宮口は7cm、陣痛の間隔も変わらず7分おきでしたが、助産師さんも私もこのまま朝には生まれると思っていました。
進まないお産と疲労で立ち会い限界の夫
陣痛開始から13時間以上たってもお産の状況は変わらず、陣痛促進剤を使うことになりました。しかしその効果も乏しく、ほとんど眠れないまま迎えた2日目の夜。ずっと腰のマッサージをしてくれていた夫が、「つらいよ! 寝たいよ!」と言い出しました。しかし、陣痛に苦しむ私に、そんな言葉を受け入れる余裕はありません。
「私は激痛と闘っているのに、よくそんなこと言えるよ!」と言い返し、まさかの陣痛の最中に喧嘩勃発! フラフラな状態で口論する私たちを見て、助産師さんが腰のマッサージを代わり、夫を寝かせてくれました。
鉗子分娩で無事終えた30時間のお産
陣痛開始後24時間以上たって、なんとか子宮口が全開大に。眠る夫をたたき起こして分娩室へ移動したものの、頭が大きすぎてなかなか娩出できず、鉗子分娩で無事出産しました。娩出の瞬間も壮絶でしたが、ほんの一瞬の出来事で、痛みがあったのかすら覚えていません。
ただ覚えているのは、推定体重を600gも上まわる3,604gのムチムチの息子に会えてすごくうれしかったこと。新生児室では他の赤ちゃんよりひと回り大きく、すぐに見つけられました。肉付きがよく骨格がしっかりしていて抱きやすかったのも、新米ママの私にはありがたかったです。
なかなかおなかから出てこなかった息子はもう4歳。今ものんびり屋さんで、時々私を困らせます。赤ちゃんのころはビッグベビーだった息子。最近は体を動かすことが大好きで、体も引き締まってきました。息子の成長がうれしい反面、生まれた瞬間のムチムチな息子をまた抱きしめたい……と少し切ない気持ちになることもあります。
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監修/助産師 松田玲子
著者:境まいこ
おちゃめな4歳男児と声が大きい1歳女児を育てるナースママ。ライターとしてさまざまなジャンルの記事を執筆している。
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