「お願い、入れて…」極寒の中、彼の家の前で待ちぼうけ…彼がなかなか部屋に入れてくれないワケは

 

合コンで知り合った彼は年上で紳士的なタイプ。穏やかな人で、一緒にいると落ち着きます。うっすら結婚も考えていたのですが、彼の「ある性格」が気になっていました。

 

それはとてもきれい好きだということです。当時、お互いにひとり暮らしをしていたのでよく家を行き来していました。彼の家を訪れるときに「ちょっと外で待っていて」と言われなかなか入れてもらえないことがたびたびあったのです。

 

「なにか隠しごとでもあるのかな？」と不安に思っていた私。ある日、意を決してすぐに入れてくれない理由を聞いてみると「掃除をするから」と返ってきました。どうやら私が部屋に入る前に、掃除機をかけて部屋を換気してテーブルなど拭いているのだそうです。

 

彼がこれでよしと思うまで、すべての掃除と片付けが終わらないと私は待たされます。「一緒に掃除しよう？」と提案したこともありますが、嫌がられてしまいました。彼には彼のやり方があるらしく、完璧な状態の部屋に入ってほしいのだそうです。それなら私が来る前に終わらせておいてくれればいいのに、と正直思ってしまいました。

 

待ち合わせ時間に行っても、掃除が終わっていないと中に入れてもらえず、寒い冬に20分ほど家の外で待たされたときは心が折れそうでした。「そんなに隅々まで片付けなくても気にならないよ」と言いましたが、「僕が気にする」と言われてしまい……。

このようなことが多々あり、彼はきれい好きを通り越して潔癖なところがあるのではないか？と思うように。あるとき1泊旅行に行ったのですが、彼は服を洗う柔軟剤を持参。たった1泊でも、前日着ていた服をわざわざホテルのコインランドリーで洗うためです。どんなときでも、いつも使っている柔軟剤でないと気が済まないようで、荷物になるのに持ってきていました。

 

そんな彼は家での洗濯もものすごく細かいです。衣服によって洗剤を使い分けています。あるとき私が洗剤にこだわりがなく、柔軟剤も使っていないことを話すと「おおざっぱすぎる」と怒られてしまいました。このとき彼と私は合わないかもと感じ始めたのを覚えています。

 

 

私はどちらかというとおおざっぱな性格です。きれい好きであることはとてもいいことだと思います。彼の部屋はいつも、私の部屋の何倍もきれいで尊敬していました。しかし、あまりにも価値観がちがい私たちの交際はうまくいきませんでした。彼との交際から、長く付き合ううえではある程度考え方が近いことが大切かもしれないと感じました。

 

イラスト／たこ