子宮筋腫ではなくて、実は…
自宅で大量出血を起こし、貧血と出血性ショックで床に倒れてしまったひぽぽさん。医師によると「子宮筋腫ができていて、それが子宮の外にまで飛び出してしまっています」とのことで、筋腫を切除する手術を受けたのち、取り除いた腫瘍は病理検査(顕微鏡で細胞を調べる検査)に出されました。
貧血状態が続いているひぽぽさんは、経過観察のため、数日ほど入院生活が続きます。そんな中、いろいろなことが重なって精神的にうつになってしまい、「早く退院して家でゆっくり休みたい」という気持ちが強くなっていき……。
手術が終わったあとは特に必要な処置もなく、ただ貧血状態が回復するのを待っているひぽぽさん。術後の微熱やおなかの気持ち悪さは続いていましたが、病院にいても家にいても寝ているだけなら家のほうがいいと判断し、医師に「退院したいです」と相談します。
すると、「まだ貧血がひどいので心配ではありますが……出血さえなければ大丈夫なので、夕方に内診して異常がなければ退院OKとしますね」と言ってもらえました。
夕方の内診を受けたとき、病理検査の結果も教えてもらったのですが……子宮筋腫だと思っていたものを顕微鏡で調べてみると、実は子宮内膜ポリープだったのだとか。いずれにせよ、大量出血の一因となっていたものを取り除くことはできたので、あとは退院に向けて体調を回復させるだけです。
しかし……
せっかく医師から退院許可をもらえたのに、再び出血してしまいました。
「そろそろ生理がくる時期なので、数日ほど出血が続くかもしれません」と医師に相談すると、「退院するのは大丈夫なのですが、貧血はあいかわらずひどいので……出血量が増えそうな場合はプラノバール(中用量ピル)を飲んで、一旦生理を止めてくださいね」との指示が。
2018年6月某日に大量出血して床に倒れ、子宮内膜ポリープの切除手術を受けたひぽぽさん。
約2カ月後の同年8月、大学病院の免疫血液内科と婦人科で検査を受けるも数値は悪いままで、持病のSLE(全身性エリテマトーデス)やリウマチの症状である、体の痛みやしびれは悪化する一方です。さらには貧血もひどいままで、医師に「子宮筋腫や子宮内膜ポリープができやすい体質」と言われているため、今後また病気が再発するおそれもあります。
ーー私の体はこれからどうなってしまうんだろう……
どこもかしこも痛く、先に見えない未来に不安になってしまうひぽぽさん。しかし、
ーー私の体なんだから、どれだけ大変だったとしても、一生付き合っていかなくちゃいけないんだ
ーー泣いていても体が良くなるわけじゃない。できることを一つずつやっていこう……!
と気持ちを切り替え、前を向いて一歩踏み出したのでした。
SLE(全身性エリテマトーデス)は難病指定されており、60年以上前には不治の病とまで言われていたそうです。現在はステロイドと免疫抑制薬で、症状をある程度コントロールできるようになったのですが、それでも完治は難しく、つらい症状と長期間付き合っていかなければなりません。ひぽぽさんの場合は、こういったSLEやリウマチの持病を抱えながら、婦人科系疾患とも闘わなければならないのです。
本作を通じて、ひぽぽさんはとても心がやさしく繊細な人なのだと感じました。これからは『私の体が弱いせいで誰かに迷惑がかかる』なんて思わず、体がつらいときや心が折れそうになったときは、家族を頼ったり、作品を通じて読者に弱音を吐いたりしてほしい。心からそう思います。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師 松田玲子
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