宝くじを破かれたことで、(夢を見る権利すら、私には与えられないのか)と、ショックを受けた加奈子。翌日も昨日の出来事がショックで頭が働かず、ボーッと布団を干していました。
すると、1本の電話が鳴って……!?
突然着信が! 電話の相手は…?
スマートフォンの着信に気付き、
電話に出た加奈子。
すると、着信相手は息子からでした。
「あ、お母さん……絵具セット……
忘れちゃった……」
「え~……!!
昨日ちゃんと準備してなかったからでしょう。
隣の子に使わせてもらったら?」
「隣の席の女の子、
話したことないから気まずい……」
息子の状況を理解した加奈子は、
しぶしぶながらに承諾の返事をすることに。
(甘やかしすぎだろうな。
「次はない」って帰ったら言わなきゃ……)
こうして、絵の具セットを小学校まで
届けに行く羽目になったのでした。
◇ ◇ ◇
加奈子が息子さんのことを甘やかしていたかどうかは分かりませんが、自分の子どもはかわいいと思うのは当然だと思います。かわいいが故にどうしても手厚くサポートしてしまうのが親心なのではないでしょうか。ただ、「親に電話すれば毎回忘れ物を持って来てくれる」という認識を子どもに持たせてしまうとよくないので、加奈子の言う通り「次はないからね」とちゃんと伝えて、もし次に忘れものをしたときは、手助けをしないというのも、子どもの成長のためには大事なことかもしれません。