宝くじを破かれたことで、(夢を見る権利すら、私には与えられないのか)と、ショックを受けた加奈子。翌日もその出来事を引きずりながらも、ボーッと布団を干してると、息子から「学校に絵の具を持って来てほしい」と着信が。
(甘やかしすぎだろうな……)そう思いながらも、仕方なく学校まで絵の具を届けに行こうと車を走らせると、その足でパート先に向かうことに。すると、ギリギリの時間で到着してしまったのでした。
慌ててパート先に向かうと、新人さんを紹介されて…
「珍しくギリギリだねぇ」
「子どもの忘れ物を届けてまして……」
すると、パート先に入ったばかりの新田さんを
紹介された加奈子。
「さっき知ったんだけど、新田さんの旦那さんも
佐々木さんの旦那さんと同じ会社で
働いているんだって!」
「え!?すごい偶然ですね!」
次第に普通の会話から、
新田さんから意味深な発言が……。
「お互い大変ですね……。
"例の部長"が訳ありだから……。そちらの旦那さんは
落ち込んだりしてないです?」
「え……? "例の部長"さん……?」
加奈子が聞き返すと、新田さんは
夫の会社の状況を教えてくれたのでした。
◇ ◇ ◇
新田さんとの会話で、初めて夫が会社で上司にパワハラを受けていることを知った加奈子。日々上司からパワハラを受けているとなると、相当なストレスを抱えていることが予想されますね。加奈子は「知らなかったです……」とだけ答えていますが、心の中で何を思ったのでしょうか。