ベビーカレンダーは、多様化している家族のあり方=“新しい家族のカタチ”について発信する取り組みを開始しました。当事者のリアルな声を紹介していきます。多様な幸せを実現できる社会、そして、もっと「家族を持ちたい」「赤ちゃんを産みたい」と思う人が増える世の中づくりの一助となりますように。
元女子の健斗さんは女性のパートナーと、彼女の連れ子を育てている1児のパパ。
動画では、FtM(Female to Male/性自認が男性のトランスジェンダー)の健斗さん(画像左)が、同じくFtMで、最近子どもが生まれた元女子パパのMAKIさん(画像右)に、妊活や出産について質問。その様子を対談形式でご紹介します。
元女子パパ・子どもを授かりました!
健斗:MAKIがゲストで来てくれました。簡単な自己紹介をお願いします。
MAKI:MAKIです。1989年生まれ。24歳で性別適合手術・戸籍を男性に変更。
家族の反対がありましたが、27歳で女性のパートナーと結婚、32歳でパパとなりました。健斗さんと出会ったのが22〜23歳くらいなので、10年くらい経ちましたね。
健斗:早いよね〜今回は、おめでたいことがあったので紹介させてください。
健斗:MAKIが、子どもを授かりました。コロナ禍での出産は、リモートでの立ち会い? どうだった?
MAKI:奥さんのスマホとLINEビデオを繋いで、リモート出産でした。無痛分娩で、最後は吸引。33〜34時間かかりました。吸引時に、カメラがOFFにされてしまったので、生まれた瞬間は見られなかったです。
健斗:長かったね! 奥さんお疲れ様でした。今回の妊娠は、シリンジ法だよね?
※「シリンジ法」とは:採取した精液を、シリンジ(針のない注射)を使って自分で腟に注入する方法
MAKI:はい。精子は第三者に提供してもらいました。
血の繋がっている子どもの親になれるのか…不安に
健斗:男性になるための治療を始めたばかりの時なんて、まさか自分が結婚して子どもが生まれるなんてイメージがつかなかったでしょ?
MAKI:はい。子どもが生まれる前は「血の繋がっていない子の親になれるのかな……」と不安でした。
でも、今回の出産が難産で、子どもが一度NICUに入ったんです。ドクターに「子どもの状況があまり良くない」と言われた瞬間に、自分の血の気が引いていくのがわかったんです。そんな自分に気づいた瞬間に、「あっ、俺もうパパだ」と実感できました。
健斗:本能で心配したってことだよね。もう愛が溢れているね!
義父母説得に4年…妊活に対する周囲の反応は厳しかったけれど
動画はここまでですが、MAKIさんに妊活に対する周囲の反応を教えてもらいました。
MAKI:最初は『そこまでして子を持つ必要はない』・『生まれてくる子がかわいそう』という理由で、妻のご両親の理解を得られませんでした。そもそも『子どもを作らないこと』が結婚の条件でした(笑)。
もちろん夫婦2人での生活も幸せですが、
そして妊活を開始しました。妊娠がわかった時は喜びしかなかったです。ですが、自分とだけ血縁関係がないので、正直不安はゼロではありませんで
僕たちのような形で家庭を築くことに賛否両論あるとは思います。でも、僕たち夫婦は誰よりもわが子を愛しています! いま悩んでいるトランスジェンダーの方たちに『トランスジェンダーだから結婚や子どもを持つことを諦めなければいけない』と思って欲しくない……僕たちの人生を伝えることで、皆さんの選択肢が増えるきっかけになってくれれば良いなと思います。
健斗さん、MAKIさんありがとうございました! MAKIさんの子どもへの愛情がとても伝わってきましたね。FtMパパといっても、健斗さんのようにパートナーの連れ子のパパになったケースや、MAKIさんのように精子提供等で妊活して授かるケースなど、いろいろな形があります。情報を必要としている人に、少しでも届きますように。
元女子・健斗さんが運営する「ジーピットチャンネル」では、さまざまなLGBTに関する動画が投稿されています。こちらも合わせてチェックしてみてくださいね。