ワクワクの工場見学!
この日は、同学年の生徒全員でお菓子工場の社会科見学へ行きました。いつも机に向かって授業を受けるのとは異なり、クラスのみんなで課外授業をおこなうのは非日常的。私自身、ワクワクしてこの日を心待ちにしていました。
しかし、こんなときに限って生理が被ってしまいました。生理3日目で、2日目ほど経血量は多くないものの、長時間のバス乗車に加え、見知らぬ土地へ。
「工場でナプキンを替える時間はあるかな……」と、いろいろと不安でした。「何事もありませんように……」。そう願いながら、私はバスに乗り込みました。
バスの中でそわそわ
バスの中では、友だちと会話を楽しみつつ、やはり経血が漏れていないかが気になります。「もし漏れてバスの椅子につけちゃったら……」と、落ち着きません。「今日はタンポンを入れておけばよかった……」「ナプキンをさらに重ねておけばよかったかな……」と、友だちの話が入ってこないぐらいの不安感を抱いていました。
何度もおしりを浮かせたり、おしりに手を入れて経血が漏れていないかを確かめていたほど。当時の私は生理を打ち明けることに恥ずかしさもあったため、周囲に自分が生理だと気づかれないよう、私は平然を装うことに必死でした。
やっぱりダメだった…
約1時間ほどかけて工場に到着。すぐに私はトイレに行きたかったのですが、団体行動を乱すことは許されず、ナプキンの確認ができないまま工場案内に。「どこかでトイレに行けるのかな……」と、不安感が大きくなり、この時点で工場見学どころではありませんでした。
そして工場を一周し、座って工場長さんからいろいろとお話を聞かせてもらう時間に。30分ほどで終わり、ようやくトイレ休憩に入りました。
「やっと替えられる」。そう思って席を立つと……なんと椅子が真っ赤に汚れていたのです。慌ててすぐに椅子に座り直した私。周囲に不思議がられていましたが、自分の経血で汚れた椅子を見せるのは恥ずかしく、動けずにいたのです。
「どうすれば……」と、後悔し、頭を抱えたのは言うまでもありません。
結局、先生に「どうしたのか」と聞かれ、事情を説明。工場のスタッフさんも駆け寄ってきてくれて、謝罪をしました。私がトイレに行っている間に、椅子はきれいに掃除をしてくれたようです。
もちろん、私のスカートも経血で汚れてしまっており、スカートを折って誤魔化しました。工場見学ということでみんな制服を正しく着こなしていたため、私ひとりだけスカートの丈が短くて浮き、より一層恥ずかしい思いをしてしまうことに……。
そんな中、気を利かせて女性スタッフさんがやさしく「大丈夫ですよ」と、何度か声をかけてくれて救われたことを覚えています。そして、この一件で、長時間トイレ休憩に行けないような予定があった場合は、あらかじめ誰かに「トイレに行きたい理由」を話しておいたり、タンポンを入れたりすることが必要だなと反省しました。
著者/花山 花子
作画/ちゃこ
監修/助産師 松田玲子
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