こんにちは、助産院ばぶばぶ・院長のHISAKOです。今日は、赤ちゃんが大好きな「人の顔」についてお話しします。とくにママの顔は赤ちゃんにとっては特別なもののようです。
助産院ばぶばぶでのワンシーン
助産院ばぶばぶでの乳房ケアは、仰向けに寝転んだ姿勢でおこないます。赤ちゃんとママは常に一緒ですが、見慣れない場所でいきなり大好きなママが、無防備に横になり、リラックスモードに入るのは、赤ちゃんにとって「え?どうして?」といった状況です。しかも、自分の専売特許である大切なおっぱいを見知らぬ相手(助産師)に惜しげもなく差し出すなんてありえないことなのかもしれません。
赤ちゃんは人の顔が好き
まだ日本語が上手に操れない1歳前後の赤ちゃんたちは、この危機的状況を回避するためにどんな抗議行動に出ると思いますか?私の経験上、たいていの子がママの顔によじ上ろうとします。なかには、ママの顔にかぶりつく子も! ターゲットになるのが「ママの顔」なんです。
生まれて間もない低月齢の赤ちゃんでも人の顔が大好きです。じっと見つめたり、笑顔に笑い返してくれたりします。ママが怒った顔をすると赤ちゃんも困った表情をしたりします。彼らが人の顔に感心を示すのは、自分を愛してくれる相手、自分の世話をしてくれる相手を本能的に求めるからだといわれています。
顔を見ることがコミュニケーション
生後3~4カ月の赤ちゃんは、ママがおもしろい表情を見せると、じっと観察して自分も同じように顔マネをするような仕草をします。マネをすることでお世話をしてくれるママやパパなどの大人に「わたしはあなたのことを信頼してるよ!」と伝えているのかもしれません。
そしてマネをされた大人は、「なんてかわいいのだろう」と胸がキュンとなります。「私のこと頼ってくれてるんだ。この小さな存在を守りたい」と。
言語を使わない赤ちゃんが人の顔に興味を示すのは、大切なコミュニケーション手段。さらに顔の表情から人の感情さえも読み取る能力があるなんて、驚きますね。
助産院ばぶばぶでは、おっぱいケアが済んだときには、ママの顔はよだれでベタベタです。鼻を噛まれて赤鼻のママ、口の中に手を突っ込まれて内唇から流血のママ、髪の毛をむしり取られているママもいるほど、子育ては命がけです。それでも、純粋な瞳でこちらを見つめてほほえんだり、泣いたりと、赤ちゃんの豊かな表情や行動は、見ていて飽きることがありませんね。
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年に11人目を出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。