仲のいい友人家族
私には2年前から付き合っている彼がいます。彼と仲のいい友人(Aさんとします)は4人家族で妹がいて、家族で毎週金曜日は映画を観たり、週末にはバーベキューをしたりと、Aさんの一家はとても仲良しです。Aさんを介して私たちカップルもたまに家族イベントに呼んでもらうことがあり、その際は兄妹のパートナーも参加するのですが、私が初めてAさん宅へ行ったとき、2人とも同性のパートナーを連れてきたのです。
もともと私の友人にもゲイカップルがいるので特別な感情は抱きませんでしたが、その兄妹のお母さんと2人きりになったとき、「驚いた?」と聞かれました。
お兄ちゃんのとき
「子どもたちが2人とも同性愛者だから特に最初のころは受け入れられなくて、これまでにいろいろあったのよ。お兄ちゃんがゲイとわかったときは本当にショックで。そのあと、私を気づかってくれたのか、彼女を家に連れてきたときもあったんだけど……お兄ちゃんの顔がまるで違ったのよ。そのときに母親として私が間違っていたと思ったの」
それからお兄ちゃんと話し合いをしたというお母さん。
「あなたの生き方を応援するし、私たち家族は何があっても味方だよ」と告げたそうです。お兄ちゃんもお母さんの言葉をきっかけに、自分に自信が持てたと話していました。
妹のときには
お兄ちゃんがゲイであると知ってショックを受けたお母さんを見ていた妹さんは、自分がレズビアンであることを隠そうと必死だったそうです。お母さんが以前のように悲しい思いをしてしまうのでは? と自分のセクシャリティを自覚したあとも、なかなか家族には言い出せずにいたのだとか。唯一、お兄さんには少し相談していたそうなのですが、実際のところ、家族全員が薄々気づいていたそうです。
そして、これがこの家族の素敵なところだと思ったのですが、彼女自身から打ち明けてくれることをみんなで待っていたそうなのです。無理に踏み込むことをせず、妹さんの意思を尊重した対応に素敵だなと感じました。
それでも、妹さんはなかなか言えなかったようで、最終的にはお兄さんが後押しをするかたちで、「家族に話すことは一番難しいけど、一番大事なことだよ」と、妹の誕生日イベントに彼女のパートナーを呼んだそう。
そこで妹はカミングアウト。両親は「君に会えてうれしいよ!」とパートナーである彼女を大歓迎し、晴れて家族公認のカップルになったそうです。
この話を聞いて、実際自分がお母さんの立場だったら……と考えさせられました。そして、突然のカミングアウトで驚いたにもかかわらず、子どもたちを尊重し寄り添えるお母さんは素敵だなと。
まだ子どものいない私にとって、このような話を聞かせてもらったのはとてもいい経験で、改めてさまざまな人の「性」のかたち、家族のかたちを考えるきっかけになりました。そして、母親になることにも勇気をもらえたような気がしています。
著者/斉藤菜摘
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!