席に着くと、ブレンドコーヒーを注文する上司と夫。その直後、上司は口を開くと夫に向かってガミガミとお説教を始めたのです。加奈子はその様子をただ黙って眺めていたのでした。
その晩夫が帰宅すると、昼間の出来事を見てしまったことがなんとなく気まずく、そっけない対応を取ってしまった加奈子。すると、それが夫の癇に障ったのか言い合いに発展してしまうのでした。
加奈子が過去に夫から言われたモラハラ発言を思い返していると、ずっと自分が夫のストレスのはけ口にされていたことに気付いて……?
「まるでサンドバックだ」夫へのイラ立ちは加速して…
(会社で傷つけられて溜まったストレスを
立場の弱い私に攻撃することで発散してたんだ……)
(私はただのサンドバックってこと?)
夫への怒りがさらに加速していく加奈子。
(あなたは私にストレスをぶつけられるけど、
私のストレスはどうすればいいの?)
頭によぎる「離婚」という文字――。
しかし次の瞬間、
息子の笑った顔が思い浮かんだのでした。
◇ ◇ ◇
会社でのストレスをモラハラという形で加奈子にぶつけていた夫。加奈子は今まで自分が夫のサンドバック役になっていたのかと思うと、やりきれない気持ちだったと思います。離婚という選択肢が思い浮かんでしまうのも、無理はないのではないでしょうか。