涙を流して訴える夫。すると妻は…?
「こんなことずっと続けてても傷は癒えない!!
どんどん美咲が傷ついていくだけだ!!」
「もう……!花ちゃんを……
お空にいかせてあげて……」
拓也の目からは、大粒の涙が……。
すると、声を挙げて泣き出した美咲。
その腕には、犬の人形が
ギュッと抱きしめられていたのでした。
◇ ◇ ◇
「花ちゃんをお空にいかせてあげて」という拓也の言葉に目を覚ましたのか、泣き崩れた美咲。きっと人形をわが子だと思い込むことで、美咲は自分の心を守ろうとしていたのかもしれません。2度に渡り、おなかの赤ちゃんを失ってしまった美咲の胸中は、想像をはるかに超えた絶望と、深い悲しみに包まれていたのではないでしょうか。